家を建てたばかりの新生活は、ゴキブリのいない快適な生活が理想的です。しかしゴキブリはどこからともなく侵入し、私たちの生活をおびやかします。
ゴキブリのいない生活を送るために、どういったことをすればよいのでしょうか。効果的なゴキブリ対策を紹介します。
もくじ
まさか!新築1年目でもゴキブリが発生する!!
ゴキブリは新築1年目の、住んだばかりの住宅でも発生することがあります。ゴキブリを毛嫌いする人は多く、なかにはゴキブリという字を見るのも嫌だという人もいます。
新築住宅なのにゴキブリが発生する理由と、どこから侵入するのかを解説します。
どうして?ゴキブリが発生する理由
ゴキブリが新築でも発生する理由には、次の要因が考えられます。
- ゴキブリに好条件な環境になっていた
- 天敵がいない
- 引っ越しのときに一緒についてきた
- 周辺にゴキブリの発生源がある
入居して間もないのにゴキブリが発生した場合は、引っ越しの際についてきたか、未入居の段階で侵入していたと考えられます。ほかにも家の周辺に飲食店や公園が近いなど、ゴキブリが生息しやすい環境であれば、発生する確率が高くなります。
どこから?ゴキブリの侵入経路
ゴキブリはわずか数mmのすき間があれば、いとも簡単に侵入します。新築の一戸建てに多い、ゴキブリの侵入経路について解説します。
段ボールに産みつけた卵が侵入
ゴキブリは、梱包でよく使われる段ボールに卵を産みつけることがあります。そのため、引っ越しの荷物や家具を梱包していた段ボールから住宅内に侵入してきます。ゴキブリの卵は7〜10mmほどの大きさしかないため、見過ごされてしまうのです。
たとえ新築物件でも、卵を持ち込んでしまうとゴキブリは発生してしまうのです。
排水管を通り抜けて侵入
ゴキブリは排水管を通り抜けて、住宅内に侵入してくることがあります。排水管のパイプはS字になっており、本来であれば臭いがあがってこないようにパイプ内に水が溜まっています。
しかし新築の場合、水を使っていないので水が溜まっておらず、ゴキブリが排水管を通り抜けて侵入することがあるのです。
玄関のドアから堂々と侵入
玄関のドアを開けっぱなしにしていると、気づかないうちにゴキブリが侵入することがあります。引っ越しで荷物の搬入をしているときは、ドアを開けたままにすることが多いです。
ゴキブリの侵入を防ぐために、必要以上にドアを開けたままにしないよう気をつけください。
窓やベランダからこっそり侵入
窓やベランダからゴキブリが侵入することもあります。ゴキブリの種類によっては、2〜3階程度の高さであれば、空を飛んで侵入するのです。
網戸を閉じていなかったり、網に穴があいていたりすると、そこからゴキブリの侵入を許してしまいます。
室外機のファンや排水ホースから侵入
エアコンの室外機からゴキブリが侵入することがあります。室外機のファンや排水ホースが、ゴキブリの侵入経路です。
ゴキブリの侵入を防ぐ室外機のカバーや排水ホースのキャップなどが売られています。侵入経路を断つため、取りつけておきましょう。
換気扇や通気口から知らぬ間に侵入
換気扇や通気口は外気とつながっているため、ゴキブリの侵入経路になります。
通気口にフィルターを取りつければ、ゴキブリ対策になるだけでなく、花粉や砂ぼこりなどの対策にもなります。フィルターは安価なので、気になる方は取りつけておきましょう。
入居前にやっておきたいゴキブリ対策
ゴキブリはありとあらゆるところから侵入してきます。完全に侵入を防ぐのは困難ですが、入居前にやっておきたいゴキブリ対策があります。ゴキブリのいない心安らかな新生活を送るために、ぜひお試しください。
くん煙タイプの殺虫剤を使う
入居前にくん煙タイプの殺虫剤の使用をおすすめします。入居前であれば家具や家電を保護する必要がないため、部屋全体に薬剤を行き渡らせられます。
くん煙タイプの殺虫剤には、煙タイプ、霧タイプ、水タイプがあります。それぞれの特徴と代表的な商品をまとめました。
煙タイプ | 水タイプ | 霧タイプ | |
---|---|---|---|
特徴 | 薬剤を含む煙を拡散することで部屋のすみずみまで殺虫成分を行き渡らせる | 水による化学反応で薬剤を加熱して殺虫成分を部屋のすみずみまで拡散させる | 殺虫成分を含む霧状の薬剤を部屋のすみずみまで拡散する |
メリット | 家のすみずみまで行き渡る | 煙タイプほど煙が出ない |
|
デメリット | 火災報知器が反応することがある | 火災報知器が反応することがある | 煙タイプほどすみずみまで行き渡らない |
効果 | 大きい | やや大きい | 普通 |
臭い | 残る | 少し残る | 香りつきがある |
噴射時間 | 約3時間 | 約2〜3時間 | 約1時間 |
おすすめの家のタイプ | 一軒家 | 一軒家やマンション | マンションやアパート |
代表的な商品 | バルサンプロEX(レック) |
|
|
くん煙タイプの殺虫剤は用途に合わせて選びましょう。また、殺虫剤を使用する手順は次のとおりです。
- 部屋をしっかり閉めきる
- 火災報知器が反応しないようにカバーをつける
- 部屋の中心で殺虫剤を置いて噴射する
- 十分に時間がたったあとに換気と掃除をする
詳しい手順は商品に記載されているので、確認しながら行いましょう。
毒餌を設置する
ホウ酸ダンゴやフィプロニルといった速効成分が配合された毒餌を、部屋の隅や排水管の近くなど、まんべんなく設置しましょう。
ゴキブリが毒餌を食べると、半日から数日程度で退治できます。代表的な商品には、アース製薬の「ブラックキャップ」や大日本除虫菊の「コンバット」などがあります。
毒餌は設置してから有効期限があるため、定期的に交換しましょう。また、子どもが誤って口にしないよう注意が必要です。
毒餌を設置する場所に注意
ゴキブリがたくさんいそうだからと、ゴミのある場所に毒餌を設置しても効果はありません。ゴキブリの餌になるようなものがまわりにあるため、毒餌を食べる確率が下がってしまうのです。
毒餌を設置するときは、ゴキブリの餌の少ない場所に設置しましょう。
衝撃!ゴキブリを見つけてしまったら…!
万が一ゴキブリを発見してしまった場合、どのようにすれば対処すればよいのでしょうか?ここではゴキブリを退治する方法と、ゴキブリの発生を防ぐ方法について解説します。
これでもくらえ!見つけたゴキブリを退治する
発見したゴキブリを退治する効果的な方法を紹介します。
殺虫スプレーを噴射する
ゴキブリを退治するには、殺虫スプレーをゴキブリにめがけて噴射する方法が効果的です殺虫スプレーは、殺虫剤が配合されているものや、瞬間冷却させて殺すものなどがあります。
殺虫スプレーを使うコツは、ゴキブリの背中を狙うのではなく、逃げる先の空間を狙って噴射することです。退治が完了したら、すぐに死骸を処分して付近を消毒しておきましょう。
食器用洗剤をかける
殺虫スプレーが手もとにないときは、食器用洗剤で代用できます。食器用洗剤に含まれる界面活性剤が、ゴキブリの呼吸器官をふさいで窒息死させます。ゴキブリを退治したら死骸を処分し、周辺を消毒してください。
NG!なゴキブリ退治法
いくら憎くても、ゴキブリを叩きつぶしてはいけません。ゴキブリをつぶすと、菌をまき散らかす原因になります。また、ゴキブリは危機を感じると最後の力で卵を産む性質があるため、被害がさらに大きくなるおそれがあります。
ゴキブリを見つけたら、叩きつぶさずに退治してください。
ゴキブリが潜んでいるのはここだ!
ゴキブリは家のさまざまなところに巣をつくり、潜んでいます。ゴキブリを撃退するには、そういった巣をつくりやすい場所に毒餌などを設置しましょう。
キッチン
ゴキブリは水のあるところと暖かい場所を好むため、その条件がそろっているキッチンはゴキブリが巣をつくりやすい場所です。シンクのまわり、トースターの下、冷蔵庫の裏などにゴキブリは巣をつくります。
水回り、トイレ
水回りもゴキブリが巣をつくることが多い場所です。洗濯機の奥は掃除が行き届かず、ほこりが溜まっているため、ゴキブリが巣をつくるのに最適です。便器の裏側などもゴキブリが潜んでいます。
リビング
ゴキブリがいそうにないリビングにも注意が必要です。テレビはほとんど動かさないため、ゴキブリが巣をつくりやすいのです。テレビ台のうしろ、棚や引き出しの奥などに注意してください。
ゴミ置き場、犬小屋、植木鉢
ゴキブリの種類によっては寒さに強く、屋外で越冬します。そのため、家のなかだけでなく、家の周囲にも気を配ることが必要です。ただ、家の周囲に殺虫剤をまくと、ほかの生物へ悪影響が出るおそれがあります。ゴミ置き場、犬小屋や植木鉢の下などをチェックし、ごく狭い範囲を殺虫剤で処置しましょう。
もう見たくない!ゴキブリの発生を防ぐ方法
二度とゴキブリを見ないで暮らすために、ゴキブリの発生を防ぐ方法を紹介します。
こまめに掃除をする
ゴキブリは食べかすやほこりなど、あらゆるものを餌にします。こまめに掃除をして、ゴキブリを呼び寄せる原因を排除しましょう。
卵を産みつけられる可能性が高い段ボールなどは、なるべく部屋に置かず、できるだけ早く処分してください。
新聞紙・雑誌を片づける
新聞紙や雑誌を物置や部屋の隅に1年も詰んだままになっていると、そこがゴキブリの巣になってしまうことがあります。新聞紙や雑誌が溜まったら、1週間~1カ月ほどで捨てましょう。同じように置きっぱなしになっている段ボールも巣になりやすいので、定期的に処分してください。
柑橘類やハッカ系の消臭剤を使う
ゴキブリはハッカや柑橘類の香りを嫌います。そういった香りのアロマや消臭剤を使い、ゴキブリを寄せつけないようにしましょう。
定期的に換気をする
ゴキブリは、湿度のあるジメジメした場所を好みます。湿気がたまらないように定期的に換気をしたり、家具を移動させたりしましょう。ゴキブリが住みやすい環境をつくらないようにすることが大切です。
専門業者に駆除を依頼する
ゴキブリの駆除を専門業者に依頼するのもよいでしょう。専門業者がプロの視点から調査を行い、強力な薬剤を使うことで、高い殺虫効果・発生予防が期待できます。
駆除の費用は部屋の広さや間取りによって変わりますが、約1〜5万円が相場です。詳しくは専門業者に見積もりを依頼しましょう。
参考:
「ゴキブリ退治に殺虫剤は使うな!」大久保柾幸・著(白夜書房)
「ゴキブリ大全」デヴィッド・ジョージ・ゴードン・著(青土社)
「衛生害虫ゴキブリの研究」辻英明・著(北隆館)