家の設計をするときに、家相も気にしてみるのはいかがでしょうか。家相には非常に長い歴史があり、間取りを考えるときの重要な要素となっていた時代もあります。家相の基本についてわかりやすく解説しています。ちょっと運気が向上する、家づくりのヒントにしてください。
もくじ
家相の基本をわかりやすく解説!
家相とは、「理想的な部屋の配置や間取り」を追求した学問のことです。家相のもとになる学問は、平安時代くらいに遣唐使によって唐(当時の中国)から伝来しました。平安時代から現代までの千数百年間にわたり、理想的な間取りについて考えられ、それが学問的に体系化されたものが家相なのです。
家相には、「このようにすれば運気が上がる」「この配置では運気が下がる」など非科学的なものもあります。しかし、現代まで家相という考えが風化せずに残っていることから、きっと現代の家づくりの参考になるものを見つけられるはずです。ただし、家相にこだわりすぎるあまり、かえって住みにくい家にならないよう注意しましょう。
家相のいろはについて、初心者にもわかるように解説していきます。
家相における重要な要素
家相では、「鬼門・裏鬼門」、「正中線・四偶線」、「欠け・張り」が特に重要といわれています。それぞれについて解説していきます。
鬼門・裏鬼門
鬼門とは家の中心から見た、方角をあらわします。具体的には真北を0度としたとき、22.5 度から67.5度の間が鬼門です。鬼門は配置する部屋の種類によっては、運勢的にあまりよくないと忌避されがちな方角です。方角を十二支であらわす十二方位では丑と寅の間にあるため丑寅といいます。
一方の裏鬼門は、鬼門とは反対の方角、真北の方向を0度としたとき、202.5 度から247.5度の間になります。鬼門と同様に忌避されがちな方角です。ただし、鬼門とまったく同じ扱いではなく、鬼門ではよくても裏鬼門では悪い、とされる部屋の配置などがあります。
裏鬼門は十二方位では未と申の間にあって未申と呼ばれます。鬼門の反対にあるので裏鬼門を縁起のよい方角と思われる人もいますが、実際は凶の方角です。
正中線・四隅線
正中線とは、家の中心から東西南北に引いた、十字のラインを指します。正中線には強力な気が集中しており、家相では配置すると運勢が落ちてしまう設備があります。鬼門・裏鬼門ほど知られてはいませんが、注意が必要です。
四偶線は、北東と南西、北西と南東を結んだ、X字ラインのことです。このX字ラインを実際に引いてみると、X字ラインの先端が鬼門と裏鬼門とほぼ一致します。四偶線は、鬼門・裏鬼門と密接な関係にあるのです。
欠け・張り
欠けとは部分的に凹んでいる部分、張りとは部分的に突き出している部分を指します。ただし、大地に接していない部分については、凹んでいようが突き出していようが張りや欠けとはいいません。
たとえば2階のベランダは突き出しているものの、大地に接していないため張りとしては扱わないのが一般的です。張りは運勢を上げるもの、欠けは運勢を下げるものとすることが多いです。
家相と風水との違い
家相は風水と混同されやすいですが、家相が方位・方角と部屋の配置等の関係性から運気向上を目指すのに対して、風水の場合は衣食住の観点から運気向上を目指すという根本的な違いがあります。
大吉!大凶?家相から間取りを考える
家相をもとに、運気の上がる間取りにすれはどうすればよいのかを紹介します。運気がよくなる方角を吉方位、運気を下げる方角を凶方位といいます。家の設計をするときの参考にしてください。
リビング
リビングにとって吉方位となるのは、東、南東、南、北西です。また、家の中心にリビングがあるのも吉といわれています。逆に凶方位とされるのが北、北東、南西、西です。鬼門や裏鬼門に該当するほか、日当たりのよくない場所が凶となっています。
吉方位 | 凶方位 |
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東、南東、南、北西 吉の場所:家の中心 |
北、北東(鬼門)、南西(裏鬼門)、西 |
キッチン
キッチンの吉方位は、南東と南です。逆に凶方位は西と南西で、日の沈む方角であることから、家族と食事をとる場所にもかかわらずエネルギーが吸い取られると考えられ、避けるべきとされています。
吉方位 | 凶方位 |
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南東、南 | 南西、西 |
寝室
寝室の吉方位は、北、東、南東、南西、西、北西です。一方で南は凶方位とされています。これは南だとポジティブなエネルギーが強く、睡眠にとって必要不可欠な「興奮を抑制する」ことが難しいとされているためです。
吉方位 | 凶方位 |
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北、東、南東、南西、西、北西 | 南 |
トイレ
不浄とされているトイレには、吉になる方位はありません。しかし、凶を比較的抑えるとされている方位として、東、南東、北西があります。一方で凶が強くなる方角として、鬼門の北東、裏鬼門の南西があります。また方位だけでなく、不浄の気を強めるとして、正中線上や家の中心も避けるべきとされています。
吉方位 | 凶方位 |
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なし 凶を抑える方位:東、南東、北西 |
北東(鬼門)、南西(裏鬼門) 凶を強める:正中線上、家の中心 |
風呂
風呂の吉方位は水との相性がよいとされる南東、東、北西です。一方で凶方位になるのは、北、南、西です。また、鬼門と裏鬼門を結ぶ線上も風呂を配置する場所としては不向きといわれています。
吉方位 | 凶方位 |
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南東、東、北西 | 北、南、西 凶になる場所:鬼門(北東)と裏鬼門(南西)を結ぶ線上 |
子ども部屋
子ども部屋の吉方位は東と南東です。子どもの成長に不可欠な、日光のエネルギーを効率よく得られるためとされています。また北も「勉学に集中できる」として、子ども部屋の吉方位とされます。子ども部屋として凶方位になるのは、子孫繁栄に悪影響を与える鬼門の北東と、家庭運を下げる裏鬼門の南西です。
吉方位 | 凶方位 |
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北、東、南東 | 北東(鬼門)、南西(裏鬼門) |
凶の間取りはどうすればいい?
もし家の間取りが凶になっている場合の対策を紹介します。手軽にできるものもあるので、ぜひお試しください。
炭を置く
炭は不浄を吸い込むといわれているため、トイレに置くことで運気を改善します。また、炭には悪臭を取り除く効果もあるため一石二鳥です。
部屋を交換する
部屋によっては交換しやすい場合があります。たとえば子ども部屋と寝室であれば、家具を入れ換えるだけで済みます。子ども部屋にとって南西は凶方位ですが、寝室としては吉方位なので運気向上が見込めます。
リフォームでは家の中心を意識する
リフォームで増築を行うと家の中心が動くことがあり、そうすると部屋の方位も変化します。リフォームをするときは、部屋の中心がどのように変換するのかを意識しましょう。
家相を気にしすぎないことも大事
家相は部屋の場所や設備の配置を決めるうえで参考にするものです。そのため、家相の運気を気にしすぎるあまり、住みにくい家にならないように注意しましょう。あくまでも家の中心となるのは人間なので、家相に振り回されないようにしてください。