【2025年】住宅ローン金利上昇で返済額はいくら増える?影響と具体的な対策

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【2025年】住宅ローン金利上昇で返済額はいくら増える?影響と具体的な対策

日本銀行(日銀)は、2024年7月30・31日の金融政策決定会合で、政策金利を0~0.1%から0.25%程度へ引き上げました。さらに2025年1月24日の会合では、追加の利上げを決定し、政策金利を0.25%から0.5%程度へと引き上げています。

この0.5%という水準は、2008年10月以来、約17年ぶりの高さです。

「政策金利ってなに?住宅ローンにどう関係するの?」と思われる方もいるでしょう。

政策金利は、主なものとして、銀行同士がお金を貸し借りするときの基準となる金利のことです。政策金利が上がると、銀行がお金を集めるためにかかる費用が増えます。それに連動して私たちが家を購入する際に利用する住宅ローンの金利も引き上げられる傾向にあるのです。

0.5%と聞くと、影響があまり無いように思われるかもしれません。しかし、住宅ローンは借入金額が大きいため、わずかな金利の変化でも月々の返済額が大きく変わります。

では、この政策金利の引き上げによって、住宅ローンはどのような影響を受けるのでしょうか。ここでは、住宅ローンの仕組みと利上げによる住宅ローンへの影響について解説します。

住宅ローンの金利はどう決まる?仕組みをわかりやすく解説!

住宅ローンの金利は主に「変動金利」「固定金利」の2つのタイプに分かれています。
2025年は政策金利の引き上げが予想されているため、住宅ローンを利用する際は金利の決まり方や影響を理解し、それぞれの金利タイプの特徴を正しく把握することが必要です。

固定金利は「新発10年物国債」の利率で決まる

「新発10年物国債」とは国が新規に発行する10年満期の国債です。国債には「利回り」があり、これは簡単に言えば国債を購入したときの実質的な収益率です。

この利回りは景気や経済政策などによって上がったり下がったりします。政策金利が上がると、この国債の利回りも上昇し、住宅ローンの固定金利に影響します。

例えば、政策金利の引き上げで国債利回りが0.5%上昇すれば、住宅ローンの金利も同じくらい上がる可能性があります。

固定金利には2種類あり、それぞれ金利上昇リスクへの対応が異なります。2025年は政策金利の引き上げによって、固定金利の住宅ローンも影響を受けることが予測されます。特に固定期間選択型のローンでは、固定期間が終わるタイミングに注意が必要です。

固定期間選択型

最初の数年間(5年や10年など)は金利が固定され、その後は市場金利に応じて変動します。政策金利が上がると、固定期間終了後に金利が上昇する可能性が高いです。

全期間固定金利

返済期間全体にわたって金利が変わらないタイプです。金利上昇のリスクはありませんが、最初から金利が高めに設定される傾向があります。

変動金利は「短期プライムレート」で決まる

変動金利の住宅ローンは「短期プライムレート」を基準として金利が決まります。
短期プライムレートとは、銀行が企業にお金を貸す時の最良条件での金利(最優遇金利)のことです。この金利は日本銀行の政策金利が上がると、それに合わせて上昇します。つまり、政策金利が上がれば、変動金利の住宅ローンの金利も上がることになるのです。
2025年は政策金利の引き上げが予想されているため、短期プライムレートも上昇し、変動金利型の住宅ローンを組んでいる人は、金利が上がって返済額が増える可能性があります。

住宅ローンの金利が上がるとどうなる?影響と対策を解説!

政策金利が引き上げられると、住宅ローンの金利も上がりますが、変動金利と固定金利では影響の受け方が違います。
住宅ローンを選ぶときには、いつ頃金利が上がるのか、どのくらい上がるのかを予測することがとても大切です。ここからは、具体的な数字を使って、金利上昇の影響について詳しく説明していきます。

変動金利の影響と予測

変動金利の住宅ローンは、主に「短期プライムレート」に連動し、政策金利が引き上げられると、数ヶ月以内に調整されるため、変動金利への影響も比較的早い段階で現れます。
例えば、政策金利が0.25%引き上げられた場合、短期プライムレートは0.25%程度上昇することが一般的です。変動金利の住宅ローンも0.25%程度上昇する可能性があります。仮に、現在の変動金利が1.0%だとすると、金利が引き上げられた後は1.25%程度になることが予測されます。

固定金利の影響と予測

固定金利は、主に「新発10年物国債」の利回りに基づき、政策金利の引き上げが発表されると、固定金利の住宅ローンは通常、数週間以内に金利が上昇するケースが多いです。
例えば、政策金利が0.25%引き上げられた場合、新発10年物国債の利回りも0.2%〜0.3%程度上昇することが予想されます。この結果、固定金利が0.2%〜0.3%程度上昇することになります。
仮に現在の固定金利が1.5%だとすると、金利が引き上げられた後は1.7%〜1.8%程度に上昇することが予測されます。
政策金利が引き上げられた際、金利が上昇する幅は0.2%〜0.3%程度が一般的です。ただし、国債利回りや市場動向によってその幅は異なる場合があり、急激に金利が引き上げられた場合は、金利の上昇幅がさらに大きくなる可能性もあります。

変動金利より固定金利が先に上がる

一般的に、変動金利よりも固定金利のほうが先に金利が上がるケースが多いです。固定金利が「新発10年物国債」の利回りに基づいており、政策金利が引き上げられると変動金利より先に反応して上昇する傾向があるためです。
具体的に説明すると、政策金利が上昇した場合、銀行は自分たちがお金を調達する際にも高い金利を払わなければなりません。これは銀行にとってコスト増を意味します。このコスト増を補うため、銀行は貸出金利も引き上げる必要が出てきます。
このとき、国債市場ではすでに将来の金利上昇を見越して、国債の利回りが先に上昇し始めます。そして銀行は、この国債利回りを参考にして住宅ローンの固定金利を決めています。
例えば、政策金利が0.25%引き上げられると、市場では将来の金利上昇を織り込んで、10年物国債の利回りも0.2%〜0.3%程度上昇します。銀行はこの国債利回りの動きに合わせて、住宅ローンの固定金利をすぐに引き上げることになるのです。

変動金利は2つの仕組みで返済額の急増を防げる

変動金利型の住宅ローンには、「5年ルール」「125%ルール」の2つの仕組みがあります。この仕組みは、金利の急激な上昇から返済額の急増を防ぐための対策として導入されているため、金利が上昇しても一定の保護を受けながら返済を続けられます。

5年ルール

5年ルールとは、変動金利型の住宅ローンにおいて、金利が5年ごとに見直される仕組みです。金利が急激に上昇した場合でも、次の金利見直しまでの間に返済額が急激に増えることを防ぎます。政策金利が引き上げられた場合、金利の上昇が反映されるのは数ヶ月後、または1年後ではなく、次回の金利見直し時期までの一定期間にわたって調整されることになります。
5年ルールは、急激な金利の変動がある場合でも、その影響を直ちに全額反映させるのではなく、段階的に調整されるため、借り手にとっては安心して返済を続けられます。

125%ルール

125%ルールは、金利が上昇した際に返済額が前回の金利に対して最大125%までしか増加しないという仕組みです。返済額の増加を一定の範囲内に抑えることができ、前回の返済額に対して125%以内で調整され、急激な返済負担がかかることはありません。
具体的には、現在の返済額が月々5万円であれば、金利が上昇した場合でも最大で6万2,500円までしか増えません。125%ルールは、金利の上昇によって家計に過度な負担がかからないようにするため、借り手にとって非常に重要な保護策となります。

政策金利上昇と変動金利の関係

政策金利が引き上げられると、短期プライムレートも上昇し、変動金利に影響が出るまで通常2~6カ月のタイムラグがあります。
2025年に政策金利が引き上げられた場合、その影響が短期プライムレートに反映され、次回の金利見直し時期(通常は半年後または1年後)に変動金利が調整されることになります。このため、金利が上がるタイミングを早めに把握しておくことが、返済計画を立てる上で重要です。
また、5年ルールや125%ルールの仕組みによって、金利が上昇しても返済額の急激な増加を抑えることができますが、それでも金利が上昇し続けると、返済額の増加が避けられなくなる場合があります。このため、金利の動向を注意深く見守り、必要に応じて借り換えや返済プランの見直しを行うことが求められます。

住宅ローンの借り換えはいつがベスト?金利選びの重要ポイント

2025年には政策金利が引き上げられると予想されており、この動向を踏まえて、住宅ローンの借り換えや金利選びについて考えることが重要です。金利の上昇が予測される中で、最適なタイミングと金利タイプを選ぶことで、将来的な返済負担を軽減することができます。

既に住宅ローンを借りているなら借り換えはしたほうがいい?

住宅ローンをすでに借りている場合、現在のローン金利が市場金利に比べて高ければ、借り換えで負担を軽減できる可能性があります。ただし、金利引き上げが予想されるタイミングでは、慎重に判断する必要があります。

借り換えが必要なケース
現在の金利が高い 現在の金利が他の金融機関の金利に比べて高い場合、金利が低い段階で借り換えることで、将来的な返済負担を減らすことができます。
変動金利から固定金利に変更したい 変動金利型のローンを組んでおり、金利の上昇を懸念している場合、金利上昇前に固定金利に借り換えることで、金利の上昇リスクを回避できます。
ローン残高が減少している ローン残高が減少しており、借り換えによって返済期間を短縮できる場合、借り換えを行うことで総返済額を減らすことができます。
借り換えが不要なケース
現在の金利が安定している すでに低金利で安定した返済をしている場合、急いで借り換えを行う必要はないかもしれません。特に固定金利で安定した返済計画を立てている場合、金利が上昇しない限り、現状維持で問題ない場合もあります。
借り換え費用が高い 借り換えには手数料や事務手数料が発生します。これらの費用が大きくなる場合、借り換えをすることで得られる金利差が実際のメリットに見合わないこともあります。

これから組むなら変動金利?固定金利?

2025年の政策金利引き上げを見越して、変動金利と固定金利のどちらを選ぶべきかについては慎重に考える必要があります。自分のライフプランや金利動向を見極めて選択することが重要です。

変動金利のメリットとデメリット

  • メリット:初期の金利が低いため、返済額が少なく抑えられます。また、将来的に金利がそれほど上がらなかった場合、利息を軽減することが可能です。
  • デメリット:政策金利の引き上げに伴い、金利が上昇すると返済額が増えるリスクがあります。特に、金利が急激に上昇する場合、返済負担が大きくなる可能性があります。

固定金利のメリットとデメリット

  • メリット:金利が固定されるため、返済額が一定で、金利上昇のリスクから守られます。長期的に安定した返済計画を立てやすいです。
  • デメリット:初期金利が変動金利よりも高く設定されることが多いため、返済額が大きくなることがあります。さらに、固定期間終了後に金利が市場金利に合わせて変更されるものもあります。

今後の金利動向を見越して、特に政策金利が引き上げられる見込みの高い場合、一般的には固定金利を選ぶと安心です。一方、金利が低い期間が継続する場合には、変動金利を選ぶことで金利負担を軽減できる可能性があります。

失敗しない家づくり!金利動向に合わせた最適な住宅ローンプラン

2025年には政策金利の引き上げが予想されるため、将来の金利上昇に備えて、今のうちから住宅ローンの金利タイプや借り換えのタイミングを考え、準備を始めることが大切です。
金利動向をしっかり確認し、金利が上がる前にローンを組むことで、将来の返済負担を抑えることができます。これから家を購入したい方は、金利が上昇する前に早めにローンを組むことも選択肢としては重要です。

「家づくりプラン」でプロのサポートを活用しよう

家づくりを検討しているなら、メタ住宅展示場の家づくりプランを活用し、土地選び、間取り、資金計画などをトータルでサポートしてもらいましょう。複数の建築会社から最適なプランを提案してもらえるため、比較検討が可能です。

この記事の編集者

リビンマッチ編集部 メタ住宅展示場 編集部

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