ハウスメーカーか工務店か、どっちがいい?違いと迷ったときの決め方

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ハウスメーカーか工務店か、どっちがいい?違いと迷ったときの決め方

家を建てるならハウスメーカーか工務店、どちらに依頼すべきでしょうか。多くの人が迷うポイントですが、違いを明確にしたうえで何を重視すべきか優先順位を決めれば、答えは自然と出てきます。

本記事ではハウスメーカーと工務店の6つの違いと、迷ったときの決め方3つをわかりやすく解説します。

「建築費用の相場がわからない…」
「予算内で諦めずに家を建てたい…」
「家は欲しいけど、理想の住まいのイメージが固まっていない…」

といったお悩みを抱えている人は、「メタ住宅展示場の家づくりプラン」での相談がおすすめです。
複数のハウスメーカーや工務店に一括でプラン請求ができるため、比較検討をすることで理想の家づくりが実現します。

【基礎知識】ハウスメーカーと工務店の違い

ハウスメーカーも工務店も、住宅工事を請け負う業者です。基本的にハウスメーカーは新築の住宅工事を請け負っており、規模が大きく全国に展開しています。

一方、工務店は地元に密着しており、新築だけでなくリフォームや増築などもおこなっています。また、工務店には3種類の形態があります

一般的に想像される地元の工務店
地域周辺の施工を請け負い、職人が設計から施工まで管理する昔ながらのスタイル
フランチャイズ型
各地域の工務店がハウスメーカーの名前を借りて施工
大手工務店
大手ハウスメーカーのように営業担当者や住宅展示場を持つ

本記事では、1つ目の地元密着型の工務店との比較を中心に紹介していきます。

ハウスメーカーと工務店の違い
項目 ハウスメーカー 工務店
施工エリア 全国各地 近隣の市町村や県内
価格 高くなりやすい 抑えられる
工期 約3〜4カ月 約6カ月
品質 均一で安定 職人によってバラつきがある
設計の自由度 低い 高い
アフター保証 手厚いが、時間がかかる 駆けつけてくれるが、倒産リスクも

施工エリアはハウスメーカーのほうが広い傾向

工務店は地元の市町村や県内など、施工エリアを限定していることがほとんどです。施工エリアは限られますが、地域の気候や道路状況など周辺環境に詳しいスタッフがいます。

人通りが多いため玄関の位置をずらす」「晴天が少ない地域のため窓からの採光を大きくとる」など、その地域に合った家づくりを提案してもらえます。

一方、ハウスメーカーは全国に支店を構えています。そのため、気に入ったハウスメーカーがある場合、エリアに縛られず基本的には全国どこでも家を建てられます。

建物の状態にもよりますが有名メーカーならブランド力がありますので、万が一売却したいときも比較的高値で売れます。

価格は工務店のほうが安い傾向

工務店では、建材の大量生産はできず原価コストが高くなりがちですが、人件費や広告費などのコストを抑えられます。結果的に、ハウスメーカーと同等の家を建てた場合、価格が安くなる可能性があります。

住宅の価格は坪単価で示されることが多いため、以下の価格が参考になるでしょう。

ハウスメーカーと工務店の坪単価の目安
住宅会社の種類 坪単価(万円)
大手ハウスメーカー 70〜100
ローコストハウスメーカー 30〜50
工務店 約50

ハウスメーカーでは、建材の大量生産によって原価コストを抑えられます。しかし、全国に住宅展示場を持ち、優秀な営業担当者の採用や広告にも力を入れているため、建設費用にプラスで人件費や広告費などが加わり価格が高くなりがちです。

常に大規模な研究所で、住宅の耐震性や断熱性などの実験をおこない、商品開発していることも高くなる要因です。しかし、研究があるからこそ最先端の技術を取り入れた住宅に住める、ともいえます。

耐震技術や断熱技術、雨で汚れが落ちる外壁なども人気で、便利で快適な家に住みたい方はハウスメーカーがおすすめです。

一方、最新の工法に準ずる製法で、価格を抑えたい方は工務店が向いています。

工期はハウスメーカーのほうが短い傾向

工務店での家づくりは、職人が建材を加工するところから始めます。規模にもよりますが、一軒ずつ建材をプランに合わせて加工し組み立てるため、工期の目安は約6カ月です。

一方、ハウスメーカーでは建材を大量生産し、工場で加工し施工現場まで運びます。大きなプラモデルのように、組み立てるのが現場のメイン作業です。効率的に施工が進められるため、工期は約3〜4カ月で済みます。

新築の施工中は、賃貸住宅での家賃とすでにスタートしている住宅ローンが重なり、出費が増えるケースも多々あります。負担を抑えたい方は、工期が短いハウスメーカーのほうが無難です。また、工期を急ぐ例として、子どもの小・中学校への入学が迫っていることなどが考えられます。

反対に「施工中は実家に住んでいる」「早く新居に住む必要がない」といった状況では、費用の負担も少なく急ぐ必要もないため、工務店でも問題ないでしょう。

品質の安定性はハウスメーカーのほうが高い傾向

工務店では、建材の加工から組み立てまで職人がおこないます。そのため、職人の腕次第で住宅の品質にバラつきが出る危険性があります。必ず口コミなどを調べて、腕の良い工務店を選びましょう。

その点、ハウスメーカーでは工場で建材の加工をほとんど終わらせているため、組み立てる職人によって差が出にくく、品質が一定に保たれます。その反面、規格外の設計には対応しにくいのがデメリットです。

「ある程度のデザインや設計で満足できる」方は、品質が安定しているハウスメーカーを視野に入れてもよいでしょう。

設計の自由度は工務店のほうが高い傾向

ハウスメーカーでは注文住宅でも、あらかじめある程度のプランや設備が設定されていることがよくあります。数種類の中から間取りを選んだり、水回りの設備も選べるメーカーが決まっていたりと、自由度は工務店に比べると低いことがほとんどです。

規格外の注文はできないか、できても割高になる危険性が高いでしょう。

一方、工務店では自分でいちから設計や設備を選べます。家へのこだわりがあり、一つひとつ自分で選びたい方なら、一生ものの家づくりを存分に楽しめるでしょう。

しかし、自由度が高いだけに、コンセントやライトのスイッチ位置など、かなり細かなところまで自分で決める必要があります。ある程度規格が決まっているほうが気楽に感じる方は、ハウスメーカーをおすすめします。

アフターメンテナンスはハウスメーカーのほうが手厚い傾向

アフターメンテナンスは、手厚さの面でハウスメーカーに軍配が上がります。長期保証が充実しており、数年おきに定期点検の連絡がもらえるため、忙しい人でもメンテナンス時期を忘れにくいでしょう。

無料保証期間やメンテナンスマニュアルも整備されていることから、スタッフによる対応力の差も少ないといえます。

一方、工務店では万が一の倒産リスクが大手ハウスメーカーに比べて高めです。そのため、アフターメンテナンスをうたっている工務店でも、メンテナンスをしてもらえないリスクがあります。

しかし、ハウスメーカーに比べ「困ったときには、すぐに駆けつける」など、独自で対応している工務店もあります。比較の際は、必ずアフターメンテナンスまで調べましょう。

迷ったときの決め方

同じ新築を建てるときでも工務店とハウスメーカーでは特徴が異なり、自分には何が合うのか迷ってしまう方も多いでしょう。

家を建てるときに大切なことは、まず自分の希望に優先順位をつけることです。「おしゃれで機能的、技術力も高いうえにアフター保証も良い」というのは理想的ですが、すべてを完璧にかなえるには相応の予算が必要です。

筆者が家を建てた際も理想は尽きることがありませんでしたが、すべてをかなえると予算を軽々と超えてしまいました。迷った際は、以下のように譲れない項目を書き出してみましょう。

  • アフター保証の手厚さよりは、初期費用を抑えたい
  • 間取りや内装にこだわりたいから工務店
  • 多少高くなっても品質のバラつきがなく、アフター保証が充実して、ブランド力もあるハウスメーカーがいい

安さか安心感か

価格の安さを取る場合は工務店、安心感を取る場合はハウスメーカーでの施工がおすすめです。

工務店とハウスメーカーで同等の家を建てるなら、研究費、広告費、多大な人件費が含まれないため、工務店のほうが価格を抑えられます

一方、工場で建材の加工をし、現場では組み立てる仕組み化された建設方法をとるハウスメーカーでは、家の品質にバラつきが出にくいメリットがあります。さらに、アフターメンテナンスが充実し、万が一の売却時もブランド力があって売れやすいなどの面で、ハウスメーカーは安心感があります。

筆者は建築の仕事をしている知人から、「職人による技術のバラつきがある」、技術力のいる「欄間らんま」などをつくる家が減ってきているため、「大工の腕が落ちてきている」といった話をよく聞いていました。

欄間
欄間

そのため、筆者自身の家を建てるときは、比較的設計の自由度が高いハウスメーカーを探し、多少は高くても安心感を得ることにしました。

設計の自由度か品質の均一さか

家づくりにこだわりがあり自由な設計をしたいなら工務店、自由度は少ないが安定した品質を求めるならハウスメーカーを選ぶとよいでしょう。

工務店では建材の加工から施工まで、すべて一貫しておこなっているため、ほとんど制限なく好みの間取りやデザインを取り入れられます。

がりかまちをななめやカーブにするなど、「細かいこだわりはハウスメーカーでは対応できない」と断られることがあります。工務店では、このような細かい希望にも対応してもらいやすいメリットがあります。

天然木を使った上がり框
天然木を使った上がり框

しかし、「強いこだわりがなく、ある程度おしゃれで使いやすければよい」という方なら、型のあるハウスメーカーを選んでも十分満足できる家を建てられるでしょう。

ハウスメーカーでは、人気の間取りやつくりをプランとして採用していることがほとんどです。そのため、「ランドリールームが欲しい」「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)を広く取りたい」などの要望には、プラン内でも十分に応えられます。また、加工のほとんどを工場で済ませているため、品質のバラつきもありません。

アフター保証はスピード感か手厚さか

ハウスメーカーと工務店で大きく異なる点のひとつが、アフターサービスです。

アフター保証について、急な故障などのトラブル時に対応のスピード感を取るなら工務店、定期点検など永続的な手厚さを取るならハウスメーカーがおすすめです。

地元工務店は近くに事務所があり、トラブルがあったときに数十分以内に駆けつけてくれるなどスピード感が強みです。「お湯が出ない」「飛来物で窓が割れた」など今すぐ駆けつけてほしいトラブルには、スピード感のある工務店の対応をありがたく感じるでしょう。

ハウスメーカーでは、アフターサービス専門会社に委託している場合もあり、問い合わせても時間外であったり、提携会社に取り次いで空きを確認したりと、対応に時間がかかるのが一般的です。

一方で、1年、5年、10年点検など定期点検が実施され、無料保証で直してもらえる場合もあります。早期発見で大きなトラブルを防げることもあるため、定期点検の実施は大きな強みといえます。

また、ハウスメーカーの中でも、自社でアフターサービスをおこなっている会社は、緊急時も比較的素早く対応してもらえることがあります。

最近はハウスメーカーと競合するために、長期で保証する工務店も増えてきています。しかし、ハウスメーカーに比べ会社の規模が小さく、倒産リスクが高い点は以前と同じです。倒産してしまったらアフター保証は受けられない点は、必ず念頭に置いておきましょう。

どのようなアフター保証があるかは、会社によってかなりの差があります。検討する会社のアフター保証は、事前にしっかりと調べましょう。

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