スケルトン階段はデザイン性に優れている点から、リビング階段として設置されることが増えてきました。おしゃれな外観で人気が高い一方で、落下の危険性を心配して採用するか迷う人が多いのも事実です。
そこで本記事では、スケルトン階段の危険性やメリットとデメリット、スケルトン階段を採用して後悔しないためのチェックポイントを紹介します。
住宅の階段をスケルトンにしようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
再確認!スケルトン階段とは?通常の階段との違い
スケルトン階段とは踏み板と階段を支える、ささら
通常の階段にある蹴込み板がなく、骨格だけのシンプルな構造で、スッキリとした印象が特徴です。
ここでは、スケルトン階段についてよくある疑問2点を解説します。
- おしゃれに見える理由
- 落下しやすいから危ないってほんと?
それぞれ見ていきましょう。
おしゃれに見える理由
スケルトン階段がおしゃれに見える理由は、次のとおりです。
- 素材の組み合わせ方が多く、デザイン性に優れている
- インテリアとしてのアクセントになる
階段や手すりに使用する素材は木やスチール、アルミ、アイアン(鉄製の装飾)など選択肢が豊富です。
各部材に使用する素材や色の組み合わせによって、自分好みのデザインに仕上げられます。
特に人気なのは、木材の踏み板にアイアンの手すりを組み合わせるパターンです。階段の形状もストレート・上曲がり・下曲がり・U字・L字・らせんなどがあり、設置場所や間取り、家のテイストに合わせた形状を設置できます。
デザインの自由度が高く、さまざまな素材を組み合わせられるため、インテリアのアクセントにもなります。
部材の数が少ない分、スマートでスタイリッシュな印象に仕上げられるのも、おしゃれに見える理由のひとつです。
家のテイストに合った素材や色で統一感を出せると、おしゃれな印象です。
落下しやすいから危ないってほんと?
スケルトン階段は蹴込み板の部分に隙間があり、手すりの間隔も大きいため、小さい子どもやペットがいる場合、落下する危険性があります。
下が見えるため、上り下りするのに怖さを感じる場合もあるでしょう。事故が起きないよう、必ず安全対策をとりましょう。
安全性を高める方法
スケルトン階段の落下事故を防ぐには、次のような対策があります。
- 手すりや階段の隙間にネットやパネルを取り付ける
- ベビーゲートを設置する
- ストレート階段を避ける
- 滑り止め加工を施す
子どもが小さいうちは、手すりや階段の隙間に、落下防止ネットやパネルを取り付けるのがよいでしょう。
ネットやパネルなら、子どもが小さいうちだけ設置し、成長したら取り外せるため、融通が利きます。
透明や半透明のパネルであれば視界を遮ることもなく、スケルトン階段のメリットを維持できます。
子どもひとりでの階段の往来を防ぐため、階段の両端にベビーゲートを設置する方法もあります。
また、万が一落下した場合のリスクを軽減するために、U字型やL字型など折り返しのある形状を選んでおくと安心です。
ストレート階段と呼ばれる直角の階段は、最上階から1階まで転落してしまうおそれがあるため、安全面を考えるのであれば避けたほうがよいでしょう。
踏み板を滑りにくい素材にしたり、滑り止め加工を施したりするのも有効です。見栄えはやや劣りますが、事故を未然に防ぐために家庭に合った安全対策をしましょう。
スケルトン階段のメリットとデメリット
デザイン性の高さや落下の危険性以外にある、スケルトン階段のメリットとデメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
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それぞれ見ていきましょう。
スケルトン階段のメリット3つ
スケルトン階段を採用するメリットは、次の3つです。
- 開放感のある空間づくりができる
- 風通しのよい明るい空間になる
- さまざまな用途に活用できる
開放感のある空間づくりができる
スケルトン階段は蹴込み板がないため、視線を遮られることがなく、圧迫感がありません。
狭小住宅やコンパクトな間取りでも、開放感のある空間づくりが可能です。スケルトン階段は、吹き抜け空間と親和性が高く、リビング階段としても人気です。
風通しのよい明るい空間になる
スケルトン階段は、蹴込み板がない分、室内に入ってきた風や光を部屋の奥まで通します。
通常の階段では届きにくい階段の奥まで自然光が入り、風通しのよい明るい空間になります。窓ぎわに階段を設置しても、光が遮られないため部屋が暗くなりません。
さまざまな用途に活用できる
スケルトン階段は、階段としての機能以外にも、階段下のデッドスペースに洗濯物を干したり、棚やカウンターを設置して本棚やワークスペースとして利用したりできます。
耐久性を確認する必要はありますが、スケルトン階段を活用して筋トレに励む方もいます。たとえば踏み板部分をつかんで、懸垂をしたり、足を上げて腹筋を鍛えるハンギングレッグレイズをしたりと、活用方法はさまざまです。
狭い家もスケルトン階段でできる縦の空間を有効活用することで、場所を取らずさまざまなスペースに早変わりします。
スケルトン階段のデメリット3つ
スケルトン階段を採用するデメリットは、次の3つです。
- 通常の階段より費用が高くなる
- 隙間からほこりやゴミが落ちやすい
- 設置場所に配慮する必要がある
スケルトン階段を検討する場合は、デメリットについても十分把握しておきましょう。
1.通常の階段より費用が高くなる
スケルトン階段は、シンプルな構造上に強度を確保する必要があるため、通常の階段より費用が高めです。
通常の階段は安ければ10万~20万円ほどで設置可能ですが、スケルトン階段は安価なタイプでも30万円ほど、素材や形状によっては100万円以上かかります。
また、スケルトン階段によく使用されるアイアンは木材よりも高いうえ、オーダーメイドになるケースが多いため、これも費用が高くなる要因のひとつです。
重要なのは、コストがかかっても、安全性や耐久性を確保した設計や施工をしてもらうことです。コスト削減を優先して、安全性が損なわれないよう注意しましょう。
隙間からほこりやゴミが落ちやすい
スケルトン階段は、隙間からほこりやゴミが落ちやすいため、階段下にほこりがたまりがちです。こまめに掃除する必要があり、手間がかかります。
階段下は、ほこりが落ちてきても支障がないスペースにしておくのがよいでしょう。たとえば、お気に入りのぬいぐるみやフィギュアは置かない、置く場合は透明カバーをつけて直接ほこりを被らないようにするなど対策するのが望ましいです。
また、じゅうたんなどの敷物はホコリがたまりやすく、掃除しにくいです。床に何か敷きたい場合は、丸洗いできて掃除しやすいジョインマットなどを敷くとよいでしょう。
設置場所に配慮する必要がある
スケルトン階段はスカートを着用して上り下りするとき、下から見えやすいため、設置する場所に配慮が必要です。
生活動線をシミュレーションして、上り下りする際に気を遣う必要がないよう、設置場所や角度などを十分検討しましょう。
後悔したくない!スケルトン階段を採用する前に確認したいこと
スケルトン階段を設置して後悔しないよう、採用する前に確認しておきたい点は次の3つです。
- 費用重視かおしゃれ重視か
- プライバシー重視かコミュニケーション重視か
- 使い勝手重視か開放感重視か
それぞれ見ていきましょう。
費用重視かおしゃれ重視か
スケルトン階段はデザイン性が高くおしゃれですが、通常の階段より設置費用が高めです。通常の階段より、倍以上の費用がかかるケースも少なくありません。
高い費用がかかっても、おしゃれなスケルトン階段を設置したいのか、検討しましょう。
プライバシー重視かコミュニケーション重視か
スケルトン階段をリビング階段として設置したい場合、プライバシーとコミュニケーションのどちらを重視するかがポイントです。
リビングに設置すると家族間で顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが取りやすくなる一方で、プライバシーは確保しにくくなります。音やにおいが家全体に伝わりやすくなる点も、あらかじめ把握しておきましょう。
プライバシーを重視するか、コミュニケーションを重視するか、検討が必要です。
使い勝手重視か開放感重視か
スケルトン階段は開放感があり、明るい空間づくりが可能な一方で、子どもの中には安全対策をしても怖がってひとりで上り下りできないケースもあります。ペットの犬や猫も、同じような状況が起こりえます。
上り下りが必要なときに、いつも付き添ったり抱っこしたりする必要があります。モデルハウスなどで実際に上り下りするなどして、子どもやペットの反応、様子を見ましょう。
日常の使い勝手と開放感のどちらを優先するか、スケルトン階段を検討する際に確認しておきたいポイントです。
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十分に検討したのであれば、住宅の階段をスケルトン階段にしたこと自体に後悔することはないでしょう。しかし、スケルトン階段の設置箇所や高さ、耐久性、デザインなど、そのほかの部分で後悔することはあります。
そのため、スケルトン階段にして後悔する確率を減らすには、実際にどんなデザインや設置事例があるか、できるだけ多く確認することが大切です。
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試しにどんなスケルトン階段があるか確認して、完璧なスケルトン階段を設置しましょう。