【防犯対策】一戸建てを犯罪から守るセキュリティの高い設計・設備

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【防犯対策】一戸建てを犯罪から守るセキュリティの高い設計・設備

せっかく建てるのですから、犯罪者を寄せつけないセキュリティの高い家にしたいものです。どういった家が犯罪者に狙われるのか、侵入を防ぐにはどうすればよいのか、セキュリティの高い一戸建てを建てるための設計や設備について解説します。

こんな家は要注意!犯罪者に狙われやすい特徴

セキュリティを高めるには、どのような家が犯罪者に狙われやすいかを知っておくことが大切です。

犯罪者に狙われやすい家の特徴について詳しく解説します。

窓が多くて侵入しやすい

窓からの侵入
窓からの侵入

犯罪者は窓から侵入するケースが非常に多いです。警察庁の統計資料によると、一戸建て住宅で発生した空き巣の60%以上が窓から侵入しています。

一戸建て住宅で発生した空き巣の侵入経路
侵入口 件数 割合(%)
表出入口 1,173 16.0
非常口 5 0.1
その他の出入口 934 12.7
4,419 60.1
その他 99 1.3
不明 721 9.8
合計 7351 100

参考:警察庁「令和3年の刑法犯に関する統計資料」より作成

窓の多い家は侵入する経路が多いため、狙われやすくなります。不用意に窓を開けていると、さらに狙われやすくなるので注意しましょう。また窓から侵入した空き巣のうち、約30%が無締りでした。

一戸建て住宅で窓から侵入した空き巣の侵入手段
侵入手段 件数 割合(%)
無締り 1,318 29.8
ガラス破り 2,630 59.5
施錠開け 241 5.5
ドア錠破り 34 0.8
戸外し 21 0.5
その他 140 3.2
不明 35 0.8
合計 4,419 100

参考:警察庁「令和3年の刑法犯に関する統計資料」より作成

戸締まりをするだけでも、防犯効果があります。鍵は忘れずにかけましょう。

ベランダの見とおしが悪い

ベランダが外から見えないように物や高さのあるフェンスで囲まれていると、犯罪者は身を隠しやすいため狙うことがあります。

犯罪者は2階以上にあるベランダでも、エアコンの室外機や物置などを手がかりにしてよじ登り、侵入してくることがあります。住人はまさか空き巣が侵入してくるとは思っていないので、ベランダの窓は鍵がかかっていないことが多いのです。

庭木が多くて隠れやすい

犯罪者は目立たないよう行動するため、隠れやすい死角を好みます。庭木が多くて隠れやすい家は犯罪者が身を隠しやすいため、狙われる危険性が高くなります。

また、雑草が生えっぱなしで手入れがされていない家は、管理の甘さから防犯意識が低いと判断されてしまうでしょう。

近所との付き合いが少ない

付き合いが少ないと、どういった人が住んでいるのか、近所の人にはわかりません。たとえ家の敷地に不審な人がいたとしても、近所の人には判断できないでしょう。

日ごろから積極的に近所付き合いをしたり、あいさつをしたり、地域のコミュニティに所属したりして、交流を深めておくことが防犯対策につながります。

隣家から離れていて人に見られない

隣家から離れている家だと人に見られにくいため、犯罪者に狙われやすくなります。

犯罪者は人に見られていないため、ガラスを割るような派手な行動や、玄関の鍵を開けるような時間のかかる手口も、まわりを気にせずに行えます。

犯罪者から狙われにくい一戸建ての設計

犯罪者から狙われにくい家にするには、家の設計段階でセキュリティを高く工夫しておくことが大切です。

塀を高くして乗り越えられないようにする

犯罪者は侵入しやすい家を狙います。そのため、塀を高くすれば犯罪者の侵入阻止に役立つでしょう。塀の天端に侵入防止の忍び返しを設置するとさらに効果的です。

ただし、中途半端な高さの塀にすると、乗り越えられてしまううえに、そのあと身を隠しやすくなってしまうおそれがあります。塀の高さはよく検討して決めましょう。

あえて塀をなくして、金網や柵などで見とおしをよくする方法もあります。

忍び返し
先のとがったものを塀のうえに並べて、不審者が侵入できないようにしたもの。

忍び返し
忍び返し

隠れられない見とおしのよいベランダにする

犯罪者は身を隠せる場所を好むため、設計段階で見とおしのよいベランダにするとよいでしょう。手すりやフェンスの高さを調整して、ベランダが完全に隠れないようにしてください。

1階の窓に格子をつけて侵入できなくする

格子のある窓
格子のある窓

1階の窓に格子をつけて、容易に室内へ侵入できないようにしましょう。犯罪者は侵入に時間がかかる窓を選ばないので、格子をつけることで侵入意欲をなくせます。格子のほかに、シャッターの設置も防犯対策になります。

玄関ドアをオートロックにする

玄関ドアをオートロックにして、鍵の閉め忘れを防ぎましょう。玄関ドアの紛失を防ぐために、キーレスにすることも有効です。

キーレスで玄関ドアを解錠するには、主に次の方法があります。

  • 暗証番号を入力する
  • 指紋や顔認証で認識する
  • リモコンキーを使う
  • スマートフォンを使う

設計の段階で玄関ドアをオートロックにしたい場合は、オートロックに対応した玄関ドアを選びましょう。

ガレージにシャッターをつける

犯罪者に狙われるのは、家だけではありません。一戸建てでは、車上荒らしや車の窃盗被害に遭うこともあります。

車を犯罪者から守るためにガレージにシャッターをつけるほか、カーポートに防犯カメラや人感センサーを設置するなどの対策を併せて行うことをおすすめします。

土間に収納スペースをつくる

収納スペースの広い土間
収納スペースの広い土間

「土間」とは室内にある土足で入れる空間のことです。土間をつくって、自転車や三輪車など、ふたん外に置いているものを屋内へ収納しましょう。これが防犯へとつながります。

盗まれるものを外に置かないことが第一ですが、ものが乱雑に置かれている家より、見た感じすっきり片づけられている家のほうが侵入しにくいという、犯罪者への心理へ働きかけているのです。

外の設備を侵入手段にできないようにする

戸建て住宅の外には、エアコンの室外機、電気温水器、倉庫などさまざまな設備があります。これらの設備は、泥棒などが侵入に利用するおそれがあるため、家を設計する段階で設置場所をよく検討しましょう。

たとえば、2階に窓がある壁面に機械を設置しない、バルコニーに簡単に乗り移れるところに倉庫などを置かないなどの対策を講じることで防犯になります。

また、設備の上に乗られないようすることも重要です。室外機カバーのなかには、屋根部分を斜めにして上に乗られないようにしているものがあります。体重をかけると壊れる素材のものもあります。

間取りが外からわからないようにする

外から見ても、リビングやキッチン、寝室、トイレなどの位置がわかる家があります。そういった家だと、泥棒はひとけのない部屋を狙えるため侵入しやすいでしょう。

外から家の間取りをわかりにくくするのは、侵入者を防ぐために必要です。たとえば、窓などを極力小さくしたり、外部から間取りをうかがえない仕切りがあったりすると、どんな家かわからないため、侵入する対象から外れる可能性が高くなります。

ただし、窓が小さいと日が差し込まず、屋内が暗い家になってしまいます。そういった場合は、家の真ん中に中庭をつくるという設計がおすすめです。中庭に日が差し込み、家のなかが明るくなります。ほかにも天窓を設ける方法もあります。

玄関などの出入口が周りから見えるようにする

間取りは外からわかりにくくしたほうがよいのですが、玄関や勝手口はなるべく見通しのよいところにつくりましょう。玄関などの出入口は、泥棒が侵入に使うことが多いため、外部から見えやすくすることで侵入を防げるのです。

玄関を外から見えないように壁などで隠す設計がありますが、これだと人目につかないため、泥棒が侵入しやすくなってしまいます。しかし、外から丸見えの玄関だと、プライバシーを守れません。そういった場合は、外からは見えないように壁などを立てつつ、家のなかから玄関を見えるような設計にするとよいでしょう。

シンプルな形の建物は隠れる場所がない

建ぺい率ぎりぎりまで家を建てようとすると、隣家に近くなってしまいます。建物と建物のあいだは周囲からは見えにくいため、泥棒から狙われる対象になるかもしれません。しかも建物の設計に凸凹があると、そこが隠れ場所になってしまいます。

建物を設計するときは、できるだけ凸凹がない、シンプルな形にしましょう。建物が四角形であれば隠れる場所がありません。L字やコの字の設計にするときは、周囲から見えやすい工夫をしましょう。

一戸建てのセキュリティを高める設備

防犯カメラ
防犯カメラ

家のセキュリティを高めるには、以下の4つのポイントを押さえた対策が重要です。

  • 時間
  • 人目

これらをふまえて、家の設計とは別にセキュリティ機能を高める設備を紹介します。

防犯カメラを設置する

防犯カメラの設置は、防犯対策として非常に効果的です。犯罪者は自分の顔を知られないように、人目を避けます。そのため、家の玄関や勝手口など、侵入されそうなところを重点的に、死角をつくらないように防犯カメラを複数設置しましょう。

防犯カメラにはいろいろ種類がありますが、夜間でもしっかり録画できる赤外線撮影が可能なタイプがおすすめです。

防犯カメラを設置する費用が予算的に厳しい場合は、ダミーのカメラを混ぜたり、「防犯カメラ作動中」のステッカーを目立つ場所に貼ったりしても、一定の防犯効果が見込めるでしょう。

防犯ガラスを入れる

防犯ガラスとは合わせガラスとも呼ばれる、2枚のガラスの間にフィルムを挟み込んだガラスのことで、一般的なガラスよりも割れにくいのが特徴です。そのため、犯罪者がガラスを割って室内に侵入することを防ぎます。また、防犯ガラスを採用しているため、防犯意識の高い、侵入しにくい家と犯罪者に思わせられます。

費用的に防犯ガラスの採用が難しい場合は、防犯フィルムを貼るのもよいでしょう。防犯ガラスよりも手軽に侵入対策ができます。防犯フィルムにはさまざまな製品がありますが、防犯性能が高いと認定された製品につけられる「CPマーク」がついているものを選びましょう。

CPマーク
防犯建物部品目録に申請して登録された、防犯性能が高いと認められる製品に貼られる。防犯性能が高いとは、侵入までに時間が5分以上かかることを確認したものを指す。

人感センサーライトを設置する

人感センサーライトとは、人を感知すると点灯するライトのことです。人目が行き届かないような場所に人感センサーライトを設置することで、防犯対策になります。ライトが点灯することで人が来ていることがわかりますし、犯罪者は無用な注目を集めてしまうため侵入をあきらめるでしょう。

玄関や勝手口、カーポートなどに人感センサーライトを取りつけておくと、防犯対策になるだけでなく手もとを照らしてくれるので便利です。

ホームセキュリティサービスに加入する

ホームセキュリティサービスとは、家にセンサーやカメラを設置して、警備会社に監視してもらうサービスのことです。もし犯罪者の侵入や火災などの異常を探知した場合は警備会社に自動通報され、ガードマンが速やかに駆けつけてくれます。

24時間365日何かあれば対応してくれるため、大きな安心感が得られます。

家の外周に砂利を敷く

砂利を踏むと音がするため、人が来たときに気づきやすくなります。砂利のなかでも、軽く踏んだだけで大きな音がする「防犯砂利」を敷くとさらに効果的です。

犯罪者は目立つ行動を避けるため、防犯砂利を敷くだけでも効果があるでしょう。

補助錠を取りつける

補助錠とはメインの鍵以外に設置する鍵で、簡易的なものから取りつけ工事が必要な本格的なものまでさまざまです。補助錠によって時間がかかり、侵入を断念させる効果が期待できます。簡易なものでも取りつけておきましょう。

スマートドアホンにする

スマートドアホンとは、不在時に自分の家に誰かが訪ねてきても外出先からスマートフォンのアプリを通じて確認、応対ができる家電のことです。

女性の声を男性に変えられたり、モニター機能で監視できたりと防犯性能の高い製品もあります。取りつけに手間がかからない製品も多いので、簡単にセキュリティを高めたい場合におすすめです。

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