注文住宅を建てる際には、多くのハウスメーカーや工務店から1社だけを選ぶ必要があります。
施工する住宅メーカーを決めるうえで重要な要素のひとつが価格であり、比較検討するためには各メーカーから見積もりを取ることが重要です。
複数の住宅メーカーから同時に見積もりを取って比較検討することを相見積もりといい、住宅メーカーを検討する際に相見積もりをする人が数多くいます。
しかし、相見積もりが必ずしも良いというわけではなく、相見積もりをしないことにもさまざまなメリットがあります。
相見積もりを取らずに進めることで得られるメリットと、思わぬ落とし穴について知って、後悔しない家づくりをしましょう。
もくじ
注文住宅で相見積もりを取らないメリット
住宅メーカーを決定する際に、相見積もりを取らずに最初から1社に絞ることは、デメリットだけではありません。
相見積もりを取らない3つのメリットを紹介します。
- 時間を節約できる
- 信頼関係が深まる
- 柔軟に対応してもらえる
時間を節約できる
相見積もりを取らない最大のメリットは時間の節約です。
注文住宅の見積もりには要望をヒアリングし、仕様を決定する必要があるため多くの時間がかかります。
見積もりを依頼する住宅メーカーの数にもよりますが、すべての住宅メーカーの見積もりが出そろうまで数週間から1カ月以上かかることも少なくありません。
相見積もりを取らずに1社に絞って見積もりを依頼することで、見積もりが出る時間を短縮できます。
短縮できた分の時間は打ち合わせやショールームの見学などに使えるので、スケジュールを円滑に進められます。
柔軟に対応してもらえる
相見積もりを取らずに1社のみに依頼をすることで、要望に対して柔軟に対応してもらえます。
相見積もりを取る場合、住宅メーカーは相見積もりを取られている可能性を考えて、標準仕様から外れた要望や特殊な設計を希望する場合は見積もりを断ることがあります。
しかし、初めから1社のみに依頼していると、住宅メーカーは必ず依頼につながるとわかったうえで話を進められます。
標準仕様から外れた要望についても依頼されるとわかっているため、柔軟に対応してくれる可能性が高いです。
信頼関係が高まる
相見積もりをしないことで、住宅メーカーとの信頼関係を高められます。
相見積もりを取る場合、住宅メーカー側は比較をされることを警戒するため良い信頼関係を築くことが難しいケースがあります。
1社のみに依頼をすることで、施主の住宅メーカーに対する真剣な想いが伝わりやすいでしょう。
また、他の住宅メーカーを選ばれる心配がないので、住宅メーカーも施主に対してより丁寧に対応をしてくれます。
注文住宅で相見積もりを取らないデメリット
相見積もりを取らないことで以下のようなデメリットもあります。
- 価格交渉が難しくなる
- 選択の幅が狭まる
- 適切な見積もりか判断ができない
価格交渉が難しくなる
相見積もりを取らないことで、価格交渉が難しくなります。他社の住宅メーカーからの見積もりは価格交渉の際の有効な交渉材料です。
他社との比較をしながら交渉を進めることで、価格を安くできる可能性が高まります。
相見積もりを取らない場合、他社との比較ができないため、交渉の材料が少なくなり交渉が難しくなります。
選択の幅が狭まる
相見積もりを取らないことにより、注文住宅の選択の幅が狭まります。
相見積もりを取ることで、さまざまな住宅メーカーのこだわりや性能、仕様や価格の違いに気づけます。
また、見積もりのための打ち合わせを通して、住宅に関する多様な視点や考え方に触れられ、施主自身の選択の幅が広がります。
相見積もりをしない場合、最初に決めた1社のみと話を進めていくことになるため、ほかの提案を聞けません。
そのため、注文住宅を建てる際の多くの選択肢に気づきにくく、結果として選択の幅が狭まります。
適切な見積もりか判断ができない
相見積もりを取らないと、依頼する住宅メーカーの見積もりが適切なものかどうか判断ができません。
相見積もりを取ることで、複数のメーカーの見積もりを比較できます。
比較をすることで、同じ仕様にも関わらず金額が違うことや、同じ設備でも金額が異なるといったことに気づけます。
注文住宅の見積もりは多くの項目から構成されており、性能や仕様のわりに高い金額を提示されることも珍しくありません。
相見積もりを取らないとそのような違いに気づきにくく、適正な金額の見積もりかどうかの判断が困難です。
注文住宅で相見積もりを取らないときの注意点
相見積もりの際に以下の点に注意することで、デメリットを補えます。
- 見積もりの疑問はすぐに確認する
- 適正価格かどうか調査する
- 住宅メーカーの評判を調べておく
見積もりの疑問はすぐに確認する
見積もりの各明細を見て、疑問に思うことがあればすぐに確認をすべきです。
注文住宅の見積もりの明細にはトイレやお風呂などの見ただけでわかるものと、断熱材や木材などの一般の方ではわかりにくいものが混在しています。
明細の内容を見て内容がわからなければ、必ず説明を求めましょう。
確認の結果、設備が不要であったり、グレードダウンが可能であったりすれば、価格を下げる余地があります。
見積もりの明細は膨大な項目がありますが、必ずすべての項目を確認することが大切です。
適正価格かどうか調査する
相見積もりを取らない場合、見積もりが適正価格かどうかを調べる必要があります。
他社と比較をする代わりに、見積もりの各明細がそれぞれ適正な価格かどうかをインターネットで調べることが有効です。
製品の品番や名称などで検索すると価格比較サイトやショッピングサイトに売値が表示されるので、見積もりの金額と比較できます。
調べた結果は価格交渉の際に、交渉材料として使用できるためおすすめです。
住宅メーカーの評判を調べておく
相見積もりを取らない場合、依頼する住宅メーカーの評判を調べておくべきです。
依頼する住宅メーカーで注文住宅を建てた人やGoogleビジネスプロフィールに投稿された口コミを確認することで、実際の評判がわかります。
口コミを確認した際にあまりにもネガティブな口コミが多いようであれば、キャンセルをすることも検討すべきです。
ただし、口コミサイトの中には住宅メーカーが都合の良い口コミを集めたサイトもあるため、複数のサイトを参照することでより正確な口コミがわかります。