モデルハウスを購入して失敗?その事例と逆によかった事例、注意点

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モデルハウスを購入して失敗?その事例と逆によかった事例、注意点

モデルハウスの購入を検討している人にとって建物や設備の状態、保証期間など、多くの心配事があります。

ここでは、モデルハウスを購入して「失敗した事例」と「成功した事例」を参考に、一戸建て住宅の購入予定者に役立つ情報を解説します。

特に、後半の「モデルハウスの購入で失敗しないための注意点」は、思わぬ費用が発生しないためにも、購入前に頭に入れておくと入居後の費用を抑えやすくなります。

モデルハウスを購入して失敗した事例

モデルハウスの購入後に「こんなはずじゃなかった…」と購入を後悔しないためにも、以下の代表的な失敗例を頭に入れて、トラブルの回避に役立ててください。

  • 購入後に想定外の改修費用がかかった
  • 設備や内装のグレードが高いため、故障時の修理代が高額になった
  • 自分の生活スタイルに合わず、使い勝手が悪い
  • モデルハウスは建築場所によって種類が異なる

購入後に想定外の改修費用がかかった

建設から時間が経過したモデルハウスの場合、配管や空調、水回り設備などが経年劣化しており、入居前に修理や交換が必要な場合があります。

例えば、空調システムのフィルターやダクトは定期的なメンテナンスが必要ですが、これを怠るとカビが発生し故障の原因になり、多額の修理代を支払うことになります。

新品のように見えるモデルハウスでも、長い間展示されていたことで、劣化している部分があるかもしれません。購入前には、すみずみまでしっかり確認しましょう。

設備や内装のグレードが高いため、故障時の修理代が高額になった

魅力的な商品に見せるために、モデルハウスは最新設備を導入し、デザイン性も高い特徴があります。

例えば、調光・調色機能を備えたLED照明やタイル張りの床暖房、特殊なキッチン設備など、標準的な住宅に比べて高性能の設備が備えられています

このような設備はランニングコストが高く、故障時の修理費用も高額です。キッチンのビルトイン式家電や高級な水栓金具は、数年の展示期間中は使われないことが多いため、劣化が隠れていることがあります。

そのため、購入前には設備の試運転を行うとともに、万が一に備えて第三者に設備の調査を依頼することも検討しましょう。

自分の生活スタイルに合わず、使い勝手が悪い

モデルハウスは販売促進を目的としているため、見栄えを重視した設計が多く、実際の生活には向かない間取りや装飾が施されていることがあります。

例えば、広々としたリビングや天井の高い吹き抜けは、憧れの住まいを演出できますが、実際には収納スペースが足りなかったり、冷暖房の効率が悪かったりして後悔するケースがあります。

また、高級感を演出するためにリビングやダイニングに高級な大理石を使用することがありますが、大理石にしみ込んだシミの除去やキズの補修を専門業者に依頼することになったケースも存在します。

モデルハウスは建築場所によって種類が異なる

モデルハウスは、暮らしのイメージや、部屋の広さ、設備の使いやすさなどを体感してもらうためにつくられたサンプルの家です。

建設場所によって異なるモデルハウスの特性を理解することで、自分に合った選択ができます。

住宅展示場

住宅展示場には、複数のハウスメーカーや工務店のモデルハウスが集まり、各社の特徴や強みを一度に比較できます。広い敷地に多数のモデルハウスが並んでおり、営業担当者から直接説明を受けられるのがメリットです。

展示期間が終わると新しく建て替えられるのが一般的です。モデルハウスは廃棄するのではなく、再利用のために抽選で購入希望者を募集することがあります。

住宅展示場のモデルハウスを購入するには、その住宅を移設できる土地を持っていることが条件です。

分譲地

分譲地のモデルハウスは、分譲地内に建売住宅と同様の仕様で建てられた見学用の住宅です。住宅展示場のモデルハウスに比べ、一般的な広さと設備を備えており、実際の生活をイメージしやすくなっています。

ハウスメーカーによっては、宿泊体験が可能な場合もあり、実際の生活動線や防音性を確認できます。一定期間公開されたあと、または分譲地内の他区画物件が完売すると、モデルハウス自体を土地とセットで購入できることもあります。

モデルハウスを購入してよかった事例

モデルハウスの購入には多くのメリットがあります。ここでは、実際に購入して満足された事例を3つご紹介します。

実際の生活をイメージしやすい

ホームページやパンフレットの画像や設計図では、住み心地を完全にイメージするのは難しいものです。

しかし、モデルハウスは実際に生活を想定してコーディネートされているため、「ここに住むとこんな生活になるのか」と具体的にイメージしやすくなります。

特に分譲地にあるモデルハウスなら、実際に建てられた家なので、間取りや天井の高さ、部屋の広さ、内装の質感、生活動線や日当たりなどをリアルに確認できます。

新居での生活を想定しやすいため、竣工後に「思っていたのと違う…」といった失敗を防げます。

低価格でグレードの高い家を購入できた

モデルハウスは、購入時に値引きされるのが一般的です。

分譲地のモデルハウスでも多少の値引きがありますが、住宅展示場の場合はさらに高い値引きが期待できます

住宅展示場のモデルハウスは、各社が技術力をアピールするため、全館空調や床暖房、オール電化などの最新設備が整っています。

さらに、デザイン性をアピールすべく、高級建材や家具などを使用し、インテリアコーディネーターによっておしゃれで洗練された空間が演出されています。

一方、分譲地のモデルハウスは、一般的な間取りや広さですが、最新のキッチンやバスルームが備わっており、インテリアもハイセンスで美しく見えるように工夫されています。

モデルハウス購入時には、住宅設備や家具・家電、インテリアがそのまま付属品となる場合も多いため、低価格でグレードの高い家が手に入りやすくなります。

立地や周辺環境がよい場所だった

分譲地のモデルハウスは、多くの人に見学してもらうため、アクセスがよく、景観に優れた角地などに建てられることが多いです。そのため住みやすく、生活に便利な立地で、物件の資産価値が高くなる傾向にあります。

また、一戸建ての場合、敷地がどの方向で道路に接しているか(道路付け)は大切なポイントです。分譲地内では、旗竿地(敷地が細長く、通路を経由して道路に接する形状)の区画もありますが、モデルハウスはそのような場所を避け、より良い道路付けが考慮されています。

モデルハウスの購入で失敗しないための注意点

購入に失敗しないための、重要なポイントを4つに絞って紹介します。このポイントを実践することが、家選びの成功の秘訣です。

購入を焦らない

分譲地のモデルハウスは1棟のみのため、他の購入希望者がいると焦ってしまい、冷静な判断ができなくなることがあります。

また、モデルハウスは集客を重視して建てられるため、工期が短く、品質管理が不十分な場合があります。

その結果、基礎や外壁のひび割れ、断熱欠損など見学時にはわからない重大な欠陥が入居後に発覚するケースがあるのです。

購入前に第三者機関の診断を受け、欠陥の有無を確認することをおすすめします。不安な思いをせず、安心して暮らせる家を選びましょう。

ホームインスペクション(住宅診断)を受ける

ホームインスペクション(住宅診断)は、建築士などの専門家が第三者の立場で住宅の構造や設備の劣化、不具合を目視や機器で調査し、購入前に住宅の状態を把握できるサービスです。

中古住宅やモデルハウスの購入時に利用する人はまだ少なく、その理由のひとつとして、調査費用が高額であることが挙げられます。

また、日本ではホームインスペクションの認知度が低く、その重要性が十分に知られていません。

購入前に、保険や保証の残存期間を確認する

モデルハウスを購入する際、中古物件として扱われ、新築住宅の10年保証(住宅瑕疵担保責任保険)が適用されないか、制限されることがあります(参考:住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険全般に関するご質問」)。

その代わり、「既存住宅売買瑕疵保険」を利用することで、構造部分や雨漏りなどに不具合が発見された際、保険で修理費用をカバーできます。この保険は購入者が中古住宅を安心して購入できるように設けられており、保証期間は最大5年です(参考:住宅瑕疵担保責任保険協会「かし保険全般に関するご質問」)。

通常は売主(不動産業者や個人)が買主に対してアピールするために加入しますが、加入していない場合は買主が保険に加入することも可能です。

モデルハウスを購入する際は、事前に保険や保証の内容、展示期間、保証の残存期間をしっかり確認することが重要です。

複数社のモデルハウスをチェックする

ハウスメーカーや工務店は、それぞれ間取りや設備、価格、アフターサービスなどに独自の特徴があります。初めて住宅を購入する場合、複数のモデルハウスを見学し、比較することで、自分に合った家を見つけるための選択肢を広げることが大切です。

ただし、仕事や家事、子育てで忙しい方にとって、何軒もモデルハウスを訪れるのは難しいかもしれません。そんな方には、VRを活用して全国のモデルハウスを内覧できるサービスが便利です。

上場企業運営のリビン・テクノロジーズ株式会社が提供する「メタ住宅展示場」では、4K画質でリアルに再現されたモデルハウスを自宅から細部まで確認できます。

さらに、「メタ住宅展示場の家づくりプラン」では、ネット上からプランを請求することで、複数社から資金計画書や間取りプランを取り寄せることが可能です。ご活用いただくことで、時間や場所に縛られず、効率的に家づくりの検討を進めやすくなるでしょう。


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