特に共働きの家庭では、仕事や子育てに追われ、掃除にまで手が回らない人も少なくないでしょう。
掃除の手間になりやすい場所を事前に把握し工夫することで、広い家でもメンテナンスの負担を最小限にできます。本記事では、掃除や片付けに時間や労力をかけずに済むポイントを、掃除のしやすさを重視して家づくりをした筆者が実体験を踏まえて紹介します。
もくじ
【事前知識】掃除の手間になりやすい場所6選
まずは掃除の手間になりやすい場所を把握し、メンテナンスを最小限にできる家を目指しましょう。
キッチン
キッチンは、料理の際の油や食材の汚れなどがつきやすい場所です。
キッチンの掃除で手間になりやすい場所が、レンジフードです。「本体の取り外しに手間がかかる」「油汚れが手につくと、なかなか取れない」などの理由からレンジフードの掃除が好きな人は少ないでしょう。
お風呂
お風呂は湿気が多く、少し掃除をサボるとすぐにカビが生えてくる場所です。そして、シャンプーやボディーソープが飛ぶことにより気になるのが、壁や鏡の汚れです。
カビが生えないように、毎日お風呂の水気をすべて拭き取ってから、お風呂から上がっている人もいるのではないでしょうか。カビが生えると掃除にも時間がかかり、手間も増えます。
洗面所
洗面所は、毎日の歯磨きや洗顔などのせっけんカスで汚れやすい場所です。
せっけんカスや皮脂汚れなどが洗面所の壁紙に付いてしまうと、汚れを落とすのも一苦労です。また、毎日掃除していても、水道水に含まれる炭酸カルシウムが原因で、水アカが発生します。
毎日家族で使う洗面所であり、来客も使う可能性が高い洗面所は清潔でありたいものです。
トイレ
毎日何度も使用するトイレも、汚れやすい場所です。トイレの代表的な汚れは「黒ずみ」「尿石」「水アカ」になります。汚れを放置すると、ニオイもひどくなってしまいます。
洗面所と同様に、トイレも来客が頻繁に利用する場所ですので、常に清潔に保ちたいところです。
部屋の角
凸凹が多い部屋の角も、汚れやすい場所です。部屋の角は掃除機が入りづらく、ジョイントを付け替える手間が増え嫌になってしまいます。
部屋の角の掃除のしにくさは、住み始めてから気づくことが多いので、設計の段階で担当者へ確認しておいたほうがよい項目です。
外構
家の外構も、メンテナンスが難しい場所です。デザインだけで決めてしまうと、管理ができず砂利や土の部分は草が生えっぱなしの状態になることがあるため、気をつけましょう。
また、草が生える場所をつくると草むしりが大変です。虫も発生しやすく、室内に入りやすくなるため要注意です。
外構は見た目だけでなく、機能性などもよく確認しておきましょう。
【場所別】掃除を楽にする家づくりのポイント
場所別に掃除を楽にするためのポイントを、筆者の実体験も交えて紹介します。
キッチンは掃除が楽なレンジフードを採用する
近年販売されているレンジフードは、自動洗浄機能やノンフィルターなどが採用されており、お手入れが昔に比べて楽になっています。
機能性がよくなると、値段も高くなる傾向がありますが、筆者はこの初期投資のおかげでレンジフードの掃除が楽になりました。
レンジフード周りの材質を変えると、もっと楽に
レンジフード周りの材質にも、ぜひ注目してほしいです。汚れが取れやすいのか、水や洗剤をつけて拭いても大丈夫なのか、気になることは確認しましょう。
油はねが気になる場所にキッチンパネルを使用することにより、汚れてしまっても水拭きができます。取れにくい汚れは洗剤をつけて掃除することも可能です。マグネットがつけられるタイプもあります。
またガスコンロに比べIHコンロは凸凹がなく、フラットなので掃除もしやすいです。料理していてうっかりこぼしてしまっても、サッと拭くだけできれいになります。
IHの表面の汚れが気になる人は、表面に貼るシートも売っているのでチェックしてください。
お風呂・洗面所は水アカがつきにくい材質に
お風呂も洗面所も、蛇口には水アカがつきにくい材質を採用しているものを選びましょう。多種多様なメーカーがありますが、水アカがつきにくい、目立たない材質を採用しているところもありますので、ぜひ検討してください。
たとえば、以下のメーカーが販売している黒色の水栓は、比較的水アカが目立ちにくいです。
また、毎回濡れながらお風呂掃除している人は多いですが、浴槽や床を自動洗浄する機能がついている商品があります。洗剤を使ってきちんとキレイにしてくれるので、気になる細かい部分の汚れは週末にささっとできてしまいます。
筆者は残念ながら自動洗浄付きお風呂は予算の関係で採用できませんでしたが、予算があれば採用したかったものの1つです。
洗面所の壁にはキッチンパネルを採用する
洗面所の壁にはキッチンパネルを使い、垂直方向に蛇口が付いている洗面を採用しましょう。「洗面所になぜキッチンパネル?」と疑問に思うかもしれませんが、キッチンパネルは水に強いので壁が濡れてしまっても、剥がれてしまう心配がありません。
子どもが泥んこの手を洗って、壁に汚れが付いてしまっても拭いて落とせます。垂直方向に蛇口が付いていることで、水はね予防にもなります。
筆者は洗面にキッチンパネルを採用したことで、子どもが壁を汚してしまっても怒らずに済むようになりました。垂直方向の蛇口は、ここも予算の都合上採用できませんでしたが、お風呂と洗面の蛇口を水アカが目立ちにくい材質の物にすることで、ストレスフリーになりました。
余談ですが、お風呂には鏡をつけませんでした。なぜなら、水アカやせっけんカスの汚れを取るのが面倒だと思ったからです。鏡がなくても全然不便ではないので「鏡をつけなくてよかった」と、感じています。
トイレはタンクレストイレとフチなし便座に
掃除のしやすさを重視するなら、トイレはタンクレストイレとフチなし便座を選び、床はクッションフロアか水に強い素材のものにするとよいでしょう。
タンクレストイレは凸凹が少ないぶん、掃除する箇所を減らせます。また、汚れがつきにくい材質や、汚れの発生を抑える機能を持つ商品もあるため、掃除の負担を減らせます。
たとえば、TOTO株式会社のトイレは、使用後「きれい除菌水」を自動で便座裏にふきかけることで、菌を除菌し黒ずみなどの発生を抑える仕様になっています。
また、便器にフチがあると、汚れもたまってしまい黒ずみやニオイの原因になります。フチなし便座にすることによって、掃除が隅々まで行き届き、黒ずみやニオイの原因が発生するのを防げます。
また、トイレの床は水に強い素材の物にしてください。代表的なのがクッションフロアです。万が一子どもが汚しても、水が染み込まないので床を水拭きできます。
凸凹や段差が少ない部屋に
凸凹や段差が少ない部屋にすることで、掃除機のかけやすさが違ってきます
わかりやすいのが、引き戸のレールです。床にレールがあるために、掃除機の先端を細い物に交換し、掃除機をかけている方も多いでしょう。毎日毎回だと面倒に感じてしまいやすいので、引き戸には床にレールがない物を採用することをおすすめします。
床にレールがないことによってフラットになり、掃除が楽になります。
また、部屋の形は真四角にすると掃除しやすいですが、真四角にできない場合は、掃除機をかけにくい「くぼみ」をなるべくつくらないようにしましょう。
外構は全面コンクリートか主要部分だけコンクリートに
見た目だけで選びがちなのが外構です。住み始めはよくても、住んでいくうちに汚れや雑草が目立ってきてしまいます。
おすすめは全面コンクリートですが、コンクリートは結構費用がかかります。そこで筆者がした工夫点は、主要で使う場所だけコンクリートにすることです。そうすることで、雑草が生えてこなくなりました。
主要部分以外は砂利にしましたが、砂利のところはどうしても雑草が生えてきてしまい草むしりをしています。
そのため、全面コンクリートが採用できない場合は、砂利のしたに防草シートを敷くのがおすすめです。砂利しか見えないので、見た目は気になりません。
コンクリートを採用することによって草むしりの必要がなくなり、ほうきではくだけで済むので、とても楽になりました。
収納や家具は隙間なしか床から10cm以上空けて設置
収納する場所には扉をつけ、家具などを置くときは床に隙間をつくらないか床から10cm以上空けましょう。
収納に扉をつけることにより、ホコリがたまりにくくゴミの侵入を防げます。扉の中に入っているもの自体が汚れる心配もなくなります。
家具を設置する場合は床との隙間がないものを選び、隙間にゴミやホコリが入らない工夫をしましょう。隙間ができてしまう場合は、床から10cm以上の隙間があるものを選び掃除機が入るようにすると、掃除がしやすくなります。
また、10cm空いていればロボット掃除機もスムーズに通ることができるため、本来の能力を発揮してくれます。筆者もこの方法を採用していて、リビングの掃除は基本的にロボット掃除機にお任せしています。気になるときに床の拭き掃除をするだけなので、とても楽です。
専門家に掃除が楽な家づくりのプラン請求を
掃除が楽な家づくりのプランを専門家に請求することで、自分の希望や予算に合わせた最適な提案を受けられます。
専門家は、メンテナンスのしやすさを考慮した素材や設備、レイアウトなどを細かくアドバイスしてくれます。広い家でも掃除の手間を減らしたい方は、ぜひ相談してみましょう。