施主支給とは?最近注目の理由とおすすめの物、やり方、注意点を解説

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施主支給とは?最近注目の理由とおすすめの物、やり方、注意点を解説

施主支給せしゅしきゅうとは、家を建てるときに設備機器や仕上げに使う材料を施主(依頼主)が直接購入して施工会社に取り付けてもらう、または自ら取り付けることを意味します。この施主支給ですが、トレンドといってもいいほど最近注目を集めています。

本記事では施主支給についてわかりやすく解説するので、特に施主支給をするか迷っている方は参考にしてください。

施主支給が最近注目されている理由

最近はインテリアに興味がある方が増えているという調査結果があります。株式会社一条工務店が行った「住まいのインテリアに関する意識調査」によると在宅時間が増えた方のうち、6割以上がインテリアへのこだわりが増したと回答しています。

インテリアにこだわりたい方が施工会社に手配できないと断られたときでも、使いたい機器や仕上げ材があるときに取る手段が施主支給です。

一般的には、家を建てるハウスメーカーや工務店が設備機器や仕上げ材もすべて手配して工事を進めます。しかし、こうした商品は代理店を通して購入することがほとんどであるため、特に施主がインテリアにこだわるときには、希望した商品を手配できないことがあります。

一般の方が購入できる商品なのになぜハウスメーカーや工務店が購入できないというのかという疑問が出ます。商売として家を建てているので、仕入れた商品にも当然利益を乗せて施主へ提供しています。

しかし一般の方が購入できる商品というのは、購入できる金額が判明しているため利益を乗せて提供することが難しくなります。そういった理由から一般購入できる商品の取り扱いはしません

また、保証の観点から取り扱いはしないということもあります。施工した以上責任が生じるため、特に海外製商品のように購入後の保証に不安がある場合には取り扱いを拒否することがあります。

このような理由で施工会社に手配できないと断られたときに、それでも使いたい機器や仕上げ材を手配する手段が施主支給なのです。

DIYやインテリアに興味を持つ人の増加

なぜ施主支給が注目されるようになったのかといえば、DIYやインテリアに興味を持つ人が増加したことが一番の理由でしょう。

DIYで部屋の模様替えを楽しんでいた人やインテリアに興味がある人たちは、自分だけのお気に入りの空間をつくりたいという想いがあります。

株式会社リクルート住まいカンパニーが行った「リノベーション・DIYに関する意識調査」によるとDIYに関心があると答えた層のうち、これから住宅を取得する可能性がある20代、30代ではインテリアをつくる目的としてDIYを捉えていて、自分なりの空間をつくりたいという意向が高いという結果が出ています。

自分が選んだものを現場に提供して工事をしてもらう施主支給をすることで、好きなものに囲まれた家づくりができます。

比較対象が増えたことにより、価格競争が激化

家づくりの価格競争が激化していることも施主支給が注目される要因のひとつです。

最近は、インターネットで簡単に情報を取得できたり、相見積もりを一括で取れる仕組みがあったりなど複数の会社を比較することが容易になっています。そのため、家づくりの依頼先を決めるにあたり価格競争が激化しています。

施主支給は住宅取得価格を下げることができるひとつの方法です。施主が直接購入することにより中間マージン(手数料)が発生しないため、家づくりの総額で見たときに金額を下げられるのです。これは、ハウスメーカーや工務店視点で別の見方をすることも可能です。

価格競争は激化していますが、本来はどの会社も価格勝負は避けたいのです。安い金額で提供しつつ自分たちの利益を確保するなら、材料の仕入れ価格を下げるか下請け会社への金額を下げるしかありません。

しかし、材料の仕入れ価格を下げるにも限界があります。下請け会社へ依頼する金額を下げれば工事の質は下がります。

そこで施主支給です。施主支給は先に述べたようにコストを下げることができるうえに、オリジナルの家づくりができるという他社との差別化につながります。

「施主支給歓迎ですよ」という方法を取ることで、こだわりの家づくりができる会社として価格競争ではないところで契約を獲得できます。このような理由で施主側、工事をする側の両面から施主支給は注目されています。

Instagram(インスタグラム)やYouTube(ユーチューブ)の普及により情報が拡散

施主支給が広く認知されるようになったのは、InstagramやYouTubeの普及による影響が大きくあります。

たとえば「#施主支給」とInstagramで検索すると3.4万件以上の投稿が確認できます。(2023年5月時点)

「#施主支給」とInstagramで検索した結果
「#施主支給」とInstagramで検索した結果

画像引用:Instagram「#施主支給」

スマートフォンから簡単に利用できるInstagramやYouTubeの普及によって、どのような方法で施主支給を行えばよいのか、どんなアイテムが施主支給に向いているのかなどの情報が広く拡散されるようになったため、施主支給へのハードルが下がり注目が増えるとともに実際に行う方が増えているのです。

施主支給におすすめのアイテム

施主支給におすすめのアイテムは次のとおりです。

  • 照明器具
  • 水回りのアクセサリー
  • カーテン、ブラインド
  • エアコン
  • フローリング、壁紙

それぞれ詳しく解説します。

照明器具

ペンダントライト
ペンダントライト

照明器具は施主支給に向いているアイテムのひとつです。

インテリアショップで気に入った照明器具を購入してもよいですし、インターネット販売で購入する手もあります。施主支給にすることで安く購入でき、自分好みのインテリアづくりができるので照明器具は施主支給におすすめのアイテムです。自分で取り付けができるのも照明器具が施主支給に向いている理由です。

ただし、ダウンライトのように取り付けに穴開けや配線の接続など専門の技術が必要な照明器具については、施主支給を避けたほうが無難です。また、海外製の照明器具で取り付け方法が複雑な照明器具は施工会社に嫌がられるおそれがあるため、購入前に相談と確認をしてください。

水回りのアクセサリー

タオル掛け
タオル掛け

ペーパーホルダー
ペーパーホルダー

タオル掛けやペーパーホルダーなど、水回りのアクセサリーも施主支給向きのアイテムです。

家具屋や雑貨屋で購入できるアイテムでさまざまなデザインのものがあります。小さなアイテムですが、選び方で部屋の雰囲気をガラッと変えられます。ハウスメーカーや工務店が提供できるメーカー品にはない豊富なデザインの中からお気に入りのアイテムを選んで家づくりができる点で、施主支給におすすめのアイテムです。

鏡

洗面所やトイレなどにつけたい鏡も施主支給向きのアイテムです。

水回りのアクセサリーと同様に、鏡も豊富なデザインが存在します。メーカー品にはない好きなデザインの鏡を選ぶことで自分だけの家づくりができます。

カーテン、ブラインド

レースカーテン
レースカーテン

ブラインド
ブラインド

カーテンやブラインドは費用面から施主支給にしたいアイテムです。

オーダーでつくるとどうしても高額になるカーテンやブラインドですが既製品で購入すれば費用を抑えられます。施主支給を検討するのであれば、設計段階から費用面を考慮して既製品のカーテンやブラインドで対応できるように窓の大きさを計画するとよいでしょう。

カーテンやブラインドも無数のデザインや色、模様が存在するアイテムです。お気に入りのものを使いたいという視点からも施主支給にしたいアイテムです。

エアコン
エアコン

エアコンは家電量販店で購入するほうが安いことが多いので、施主支給向きのアイテムです。

エアコンの性能によって100vではなく200vの電源が必要になることがあるので、事前に施工会社と相談するようにしましょう。

フローリング、壁紙

無垢材のフローリング
無垢材のフローリング

壁紙とシャンデリア
壁紙とシャンデリア

おすすめとは異なりますが、無垢材のフローリングや海外製の壁紙はデザインが優れたものがあり施主支給したいと考える方がいるアイテムです。

使用を検討した場合に、施主が直接購入する費用と施工会社が購入する費用が変わらない場合には施主支給します。購入前に希望のアイテムを施工会社に伝え、必要な数量を必ず確認してください。

施主支給の手順

施主支給をする場合の手順について解説します。施工後のトラブルを避けるためにも施工会社との確認をしっかりと行って施主支給しましょう。

1.希望するアイテムの選定と発注

まず希望するアイテムを選定し発注しますが、取り付けを依頼した場合に施工可能か必ず確認を取ってください。もしくは自分で取り付けることができるのか判断する必要があります。

アイテムによっては必要な数量も施工会社への確認が必要で、ビスで壁面に固定しなければいけないものがあります。その場合には、ビスが効く下地を事前に入れておくように依頼してください。

できればアイテムの取り付け方法が分かる図面などの資料を事前に用意できるとよいでしょう。

2.納品と受け取り

納品の日程や受け取り方法も施工会社に確認をしてから決めましょう。工事日程の中で施主支給品の多くは完成間近で取り付けるものが多いです。

あまりに早い段階で現場に納品してしまうと工事の邪魔になりかねません。自宅で受け取って現場に自ら届けるのであれば問題ありませんが、現場に直接届くようにするのであれば受け取る人間が現場にいる日にちを設定する必要があります。

どのタイミングで納品や発送をしてよいのか施工会社と打ち合わせて決定しましょう。

3.取り付け

施工会社も取り付けに慣れていないアイテムの可能性があるため、どの位置にどのような形で取り付けたいのかを実際に現場で立ち会いながら確認する必要が出てくる場合があります。

そのため、できるだけ事前にアイテムの資料を施工会社に提供し希望を伝えておくことが大切です。海外製品の場合、施工説明書が不十分なこともあります。施工会社が責任面から施工を拒否するおそれもあるので、自分で取り付けることまで想定して施主支給するか検討しましょう。

施主支給の注意点

最後に施主支給の注意点について解説します。

責任と保証

最も注意するべき点に施主支給品に対する責任と保証があります。

商品に対する責任と保証は施工会社側が負うことはないと考えてください。商品の不具合が生じた場合には、販売先に施主が直接対応を依頼します。

施工したことに対する責任と保証については、施工会社とよく話し合いをして書面で取り交わすようにしましょう。施工はするけれども、施主支給品の取り付けの不具合に関して責任を負わない会社もあります。施工会社との話し合いで納得できる形にしてから施主支給を行ってください。

施主支給のアイテムは住宅ローンに組み込めない

施主支給のアイテムは住宅ローンに組み込めないので、自己資金で賄う必要があります。

施主支給品が新築するのに必要な金額というのが書類上明記されていて金融機関が承認すれば住宅ローンに組み込めるのですが、現実的には難しくかなりの手間がかかるでしょう。

頭金がなく費用を抑えようと施主支給を検討している方がいるとすれば、自己資金で施主支給をしなければいけないので、その計画では実現できません。

「施主支給に利用できる現金がどのくらいあるか」という資金計画をしたうえで判断するようにしましょう。

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