「ランドリールームを導入したけど、期待よりも使い勝手が悪かった」このように、ランドリールームを導入して後悔する人は少なくありません。後悔する人が多いからこそ、その導入には慎重さが必要です。
本記事では、ランドリールームを導入する前に知っておきたい3つの魅力と、後悔した事例から学ぶ対策6選を紹介します。「ランドリールームを導入したいけど、後悔したくない」方の参考になれば幸いです。
もくじ
【前提知識】ランドリールームは洗濯作業をまとめてする部屋
前提として、ランドリールームとは何かを再確認しておきましょう。ランドリールームは洗濯作業をまとめて行える部屋です。
洗濯する、干す、アイロンをかける、たたむ、収納するといった洗濯に関する一連の作業を一部屋でできます。ベランダや外に洗濯物を干しに行ったり、別の部屋に行ってアイロンをかけたりする必要はありません。その結果、効率的に洗濯作業ができ、家事の時間短縮につながります。
2023年2月に株式会社LIXIL住宅研究所が一戸建てに住んでいる既婚女性を対象に行った調査によると、洗濯物を室内干ししている人は全体の32.4%、乾燥機を利用している人は10.8%という結果が出ています。(参考:株式会社LIXIL住宅研究所「住まいのランドリースペースに関する調査結果報告書」)
約4割の人が洗濯物は室内で乾かしていると考えられるため、ランドリールームの設置を検討される方がいるのも納得できます。
ランドリールームとサンルームの違い
ランドリールームに似た呼び方をする部屋にサンルームがあります。サンルームとは、天井や壁をガラスや透明度の高いポリカーボネート板で覆ってつくる部屋のことです。家の外側に増築するような形で設けたり、既存の部屋やバルコニーをリフォームして設けたりします。
室内と外部をつなぐ空間として風を取り入れたり、ガラスなどで覆われていることから部屋の採光のために使ったりします。
サンルームはくつろぎ部屋
ランドリールームとサンルームの違いは、使い方にあります。サンルームはくつろぐための空間なのに対し、ランドリールームは洗濯作業をまとめて行うための空間です。
サンルームは光がよく入る空間なので洗濯物を干すスペースとして利用されることはありますが、ランドリールームのように洗濯作業をまとめてできません。
サンルームは、生活を豊かにするくつろぎ部屋です。室内と外部をつなぐ位置にあるため、天気がよいときには自然を感じながら心地よい時間を過ごせるでしょう。
間仕切りを開放することで、日光や風を室内に取り入れられます。また、間切りを閉鎖すれば、寒い日でも外の冷たい空気は室内に直接伝わりません。
テラス囲いは洗濯物を干す部屋
サンルームと似ている部屋として、テラス囲いがあります。テラス囲いとは、バルコニーやテラスの周囲を、風除けや防犯対策、プライバシー保護のためにフェンスや壁で囲った構造物のことです。サンルームと違ってシンプルなつくりのため、くつろぎのスペースには向きません。また、洗濯作業をまとめて行える空間でもありません。
テラス囲いは洗濯物を干す部屋です。洗濯物に排出ガスや花粉が付着するのが心配な方で「室内干しをしたいけれど、家の中にはスペースがない」ときに、アルミ製のテラス囲いを設置して洗濯物を干す部屋にします。
サンルームより比較的簡単に設置できるのが利点です。
ランドリールームの魅力
ランドリールームの魅力について紹介します。
家事時間を短縮できる
ランドリールームを設置することで、洗濯に必要な家事時間を短縮できます。
洗濯機から洗濯物を取り出して、外まであるいは2階のベランダに運んで干して、取り込んだらアイロンを別の部屋でかけて、それぞれの部屋に収納しに行くといった一連の作業をランドリールームがあれば1カ所で行えます。
天気を気にせず洗濯できる
ランドリールームがあれば、悪天候でも洗濯できます。洗濯物を干すスペースが常に確保されており、風通しや換気、乾燥といった点を考慮してつくったランドリールームがあれば天気が悪い日でも洗濯ができます。
家族に花粉症の人がいる方や、交通量が多い道路に面している家で排出ガスの影響が気なる方であれば、室内干しできることで安心して洗濯できます。
生活感を隠せる
見えるところに洗濯物が干されていると、室内がおしゃれでも生活感が出てしまいます。しかし、ランドリールームがあれば、洗濯物を干すことによる生活感を隠せます。
急な来客があっても慌てて洗濯物を片づける必要もありません。
防犯対策になる
外に洗濯物を干すことで家族構成がわかったり、子どもの名前や通学している学校がわかったりするおそれがあります。
ちょっとした個人情報の漏えいが犯罪につながるような世の中です。室内干しにすることで、個人情報を守れると考えれば、ランドリールームの設置は防犯対策になるでしょう。
ランドリールームをつくって後悔する事例と対策
ランドリールームをつくって後悔した事例は次のとおりです。
- 狭い
- 家事動線が悪い
- 湿気がたまる
- 設備が足りない
- 収納が足りない
- 掃除がしにくい
以下で後悔した理由や後悔しないための対策を紹介するので、ランドリールームの設置を検討中の方は、参考にしてください。
狭い
ランドリールームの後悔として挙げられるのが、せっかくつくったのに狭くて使いにくいことです。洗濯するところから、干して、収納するところまで考えた場合、作業をするために十分なスペースを確保する必要があります。
しかし、ほかの部屋との関係や予算の都合などから、十分なスペースを確保できなかった場合に狭いランドリールームになり後悔してしまうという事例です。
狭くならないための対策
ランドリールームで行う作業を洗い出して、それぞれを行うのに必要なスペースを専門家と一緒に考えながら進めると、狭くて使いにくいという後悔にはつながらないでしょう。
出来上がったあとの使い方をイメージしないまま、インターネットの情報だけで判断して「なんとなく」という感覚でランドリールームをつくると、想像と違う狭くて使いにくいランドリールームになる確率が高いです。
家全体の広さを考慮したときに、本当に設置が必要かということも含めて専門家と相談してください。そのうえで、ランドリールームをつくるのであれば、自分たちの使い方に合った広さを確保しましょう。
家事動線が悪い
家事動線が悪かったというのも後悔する理由のひとつです。
家事は料理や掃除など多岐に渡ります。自分の生活スタイルや家事をするときの動きを考えずにランドリールームの位置を決めてしまった結果、家事の動線が悪くなり、かえって家事にかかる時間が長くなってしまいます。
家事動線をよくする対策
ランドリールームを家事動線がよくなるようにつくるには、洗濯だけでなく日常的な家事全般の動きを考慮した間取りにする必要があります。
どのように動くと家事がしやすいか想像しつつ、専門家に相談しましょう。キッチンとお風呂の近くや中間にランドリールームがあると比較的よいといわれる家事動線になります。
もちろん各々の生活スタイルがあるので、自分の希望をしっかりと専門家に伝え、一緒につくっていくとよいでしょう。
湿気がたまる
湿気がたまってしまい洗濯物が乾かない、カビが生えて後悔する事例があります。
ランドリールームをつくることだけに意識がいってしまい、換気設備や窓を設けなかった結果、起こりやすいトラブルです。換気設備や窓がないと、湿気がたまりやすくなり、放置すればカビが発生します。
湿気対策
窓や入口ドアの位置を工夫しつつ、ランドリールームに空気の通り道ができるような間取りを計画しましょう。間取りでの解決が難しければ、換気設備を設けて機械の力で湿気をコントロールできるようにしてください。
仕上げ材として、調湿機能がある壁紙や塗り材を使って仕上げるのもおすすめです。
設備が足りない
設備が足りないというのもランドリールームの後悔にありがちな事例です。具体的には、以下のような事例があります。
- 洗濯物を干すための物干し金物が足りない
- 洗濯機に入れる前に手洗いをするための設備として、スロップシンクを設置しておけばよかった
- アイロンがけや畳むための作業台を設置すればよかった
- アイロンや除湿機のためのコンセントが足りない
設備で後悔しないための対策
ランドリールームをつくるのであれば、何をどのようにどこで使うかを想定して設計してもらいましょう。難しくはありますが、自分がどのように洗濯作業を行うのかを想定し、どんな設備が必要か考えるようにしてください。
家事の仕方によっては、必ずしもすべてがそろったランドリールームをつくる必要はありません。アイロンがけは別の部屋でテレビを見ながらしたいのであれば、作業台は不要かもしれません。その分収納スペースを増やすという考えでもよいのです。
自分にぴったりの使いやすいランドリールームをつくりましょう。
収納が足りない
収納が足りなくて後悔する事例もあります。
洗濯で使うための洗剤やアイロンなどの家電を収納しておくスペースがないことで、ランドリールーム内が片づかず使いにくくなってしまうおそれがあります。
洗濯が終わった衣類をランドリールーム内で収納する家庭であれば、ある程度の収納も確保したほうがよいでしょう。
収納で後悔しないための対策
ランドリールームにしまうものは何があるのかリストをつくって、専門家と相談しながら収納を検討してください。
すべてをランドリールームで収納すると考えるのではなく、取捨選択をしながら本当に必要なものだけ収納するように考えると、無駄に収納スペースをつくる必要がなくなります。
掃除がしにくい
ランドリールーム内の掃除がしにくくて後悔している事例もあります。
特に「床の仕上げ材はもう少し検討すべきだった」という声が多くあります。洗濯物を扱う部屋なので糸くずや髪の毛などは落ちやすいです。
引っ掛かりのある床材で仕上げることで、拭き掃除などがしにくくなるおそれがあります。
掃除をしやすくする対策
ランドリールームの床は、クッションフロアなどシート状のもので仕上げるとよいでしょう。
人目につくところではないので、見た目よりも機能性を重視した素材選びをしてください。クッションフロアであれば、拭き掃除もしやすく、傷んだ場合も比較的安価に張り替えできます。
ランドリールームの導入を成功させるには
1部屋で洗濯作業が完結するランドリールームは、洗濯物が多い家庭の心強い味方です。そのため、ランドリールームの設置自体を後悔する人は少ないです。しかし、設置する際の工夫が足りずに後悔する人が多くいます。
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ランドリールームの失敗を防ぎたい方は、ぜひメタ住宅展示場を使って、慎重な設置計画を立てましょう。