手すりの種類は5つ!自分用?介護用?新築住宅に設置する際の選び方

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手すりの種類は5つ!自分用?介護用?新築住宅に設置する際の選び方

新築住宅を建てるなら、手すりの設置は必須です。以前は必須ではありませんでしたが、2000年の法改正(建築基準法施行令第二十五条)で、住宅の「階段」に対して手すりの設置が義務化されたためです。

そこで、階段用手すりについてはもちろん、介護用手すりについての詳細や、状況別におすすめの手すりの数と設置場所後悔しないための手すりの選び方などを徹底解説します。

手すりの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

手すりの種類

新築住宅に設置したい手すりは以下の5種類です。

  • 階段用手すり
  • 水平型手すり
  • I型(縦型)手すり
  • L型手すり
  • すえ置き型手すり

階段用手すり

階段用手すり
階段用手すり

階段でのぼりりの動きを補助するのが、階段用手すりです。

外にある段差の上り下りの補助をするために、床から柱を立てて設置する支柱型の手すりもあります。

水平型手すり

水平型手すり
水平型手すり

床と水平方向に取り付けて使う手すりです。水平移動の補助や身体を支える役割を果たします。

I型(縦型)手すり

I型(縦型)手すり
I型(縦型)手すり

床と垂直方向に設置する手すりです。立ち上がる動作や段差を登る動きを補助する機能があります。

L型手すり

L型手すり
L型手すり

文字通りLの形をしている手すりです。水平型とI型両方の機能を兼ねます。

すえ置き型手すり

すえ置き型手すり
すえ置き型手すり

壁に手すりを固定できないときに使われるのが、置くだけで利用できる、すえ置き型の手すりです。

必要な場所に動かして使うことも可能です。

どんな手すりを選ぶとよい?

新築住宅ではどんな手すりを選ぶとよいのか設置場所ごとに解説しますので、手すり選びの参考にしてください。

階段に取り付けたい手すり

建築基準法施行令第二十五条により、介護用、将来の自分用のどちらを目的にしても、階段には手すりが必要です。

  • 階段の片側に手すりを設けること
  • 階段(とその踊場)の両側(手すりが設けられた側を除く)には側面の壁か手すりなどの側面の壁に代わるものを設けること

参考:建築基準法施行令第二十五条

階段用の手すりは安全面を考慮すると、壁の両側に取り付けたほうがよいでしょう。上るとき下りるとき、どちらも利き手で手すりをつかめるためです。

片側のみの場合は、下りるときに利き手側になる壁面に設置するとよいでしょう。下りるときのほうが身体を支えるために、上るときよりも負荷がかかるためです。踊り場があるときは、階段と踊り場で途切れることなく、連続して設置すると使いやすいです。

おすすめの設置する高さは、階段の踏み板面から75~85cmです。しかし、使いやすい高さには個人差があります。あまり一般的な高さにこだわらず、専門業者と相談して家族が使いやすい位置に取り付けましょう。

廊下に取り付けたい手すり

廊下は水平方向の移動が主であるため、水平型手すりを検討しましょう。

リビングや寝室からトイレやお風呂への動線にあたる場所に手すりがあると、特に高齢の方は移動しやすいです。

手すりの高さは、腕をおろしたときの手首の位置を基準に設置するのが望ましいです。トイレや洗面所の入口扉の横にI型の手すりがあると、つかまりながら扉を開けられるので出入りが楽になるでしょう。

玄関に取り付けたい手すり

玄関には、外に出るまでにいくつかの段差があるため、上ぼり下りの動きを助ける手すりがあると便利です。

たとえば靴を履くための、しゃがんでから立ち上がる動きに対しては、I型の手すりがあると助かります。

玄関にあるI型の手すり
玄関にあるI型の手すり

がりかまち、つまり靴を脱いでから室内に入るための段差を一段上がる(靴を履いてから外に出るための段差を一段下がる)には、すえ置き型の手すりを利用するとよいです。
玄関にある、すえ置き型の手すり
玄関にある、すえ置き型の手すり

外にも手すりの設置を検討しましょう。多くの住宅には玄関と外部に高低差があります。玄関ドアに至るまでに数段の段差がある住宅もあるでしょう。

脚が不自由な方や、高齢の家族がいるのであれば、段差を上がり下がりするときの補助として支柱型の手すりを検討しましょう。

浴室に取り付けたい手すり

浴室には、浴槽に出入りするための手すりを検討しましょう。

新築住宅ではユニットバスが使われることが多いため、手すりもユニットバスのオプション品で検討することになるでしょう。

洗い場と浴槽の出入り口には、I型の手すりがあると浴槽へ出入りしやすいです。最近のユニットバスには、シャワーを掛けるフックと手すりが一体になった部品やユニットバス内での動きを想定して全面的に手すりが付けられるような、オプション設定がある商品もあります。

浴室に全面的に設置された手すり
浴室に全面的に設置された手すり

浴槽から立ち上がるときの補助用としては、浴槽内や浴槽のうえにあたる壁面に水平型の手すりを取り付けるとよいでしょう。

また、洗面所から浴室への入口扉横には、I型の手すりがあると出入りしやすいです。

寝室に取り付けたい手すり

寝室で家族が介護用ベッドを利用しているときは、ベッド近くに設置工事が不要な、すえ置き型の手すりを用意しましょう。

家族の状況に応じて手すりの位置を変えられますし、レンタル品の利用もできます。寝室の入口からベッドまでの動線に水平型の手すりがあると、移動がしやすいです。

また、掃き出しの窓があって、そこから出入りすることがある場合は、窓の横にI型の手すりがあると便利です。

トイレに取り付けたい手すり

トイレには、L型の手すりの設置を検討しましょう。

トイレを使うためには、狭い空間の中で水平の動きと上下の動きが必要です。トイレのような限られたスペースでは、両方の動きの補助ができるL型手すりが役立ちます。

トイレの壁面には、ペーパーホルダーやウォシュレット(温水洗浄便座)のリモコンなど取り付けるものが多いため、それぞれの設置位置を整理して検討する必要があります。

メーカーによってはL型手すりとペーパーホルダー、リモコンが一体になっている商品もあります。すっきりと壁面に納めたい方は、一体型商品を利用するのがおすすめです。

パターン別!必要な手すりの数と設置場所

自身と家族の状況や考え方、使用目的別に必要な手すりの数と設置場所の目安を紹介します。

費用を最小限に抑えたい人

家族に介護が必要な方がいない場合で、費用を最小限に抑えたいなら、階段のみの手すりが最善でしょう。

将来的に体のどこが不自由になるかは誰もわかりません。初期費用は抑えて、実際に手すりが必要になったときに設置を検討しましょう。

なお、階段のみに手すりを設置する場合の費用目安は10万円からです。

介護が目的の人

介護を目的としているときは、手すりが欲しいと考えられる場所が多くあります。以下に設置を検討したい場所と手すりの種類、費用目安を紹介します。

介護目的で手すりを設置する場合の手すりの設置場所、種類、費用目安
設置場所 必要な手すり 費用目安
玄関 支柱型 8万円~/カ所
I型 2万円~/カ所
すえ置き型
廊下 水平型 8万円~
I型 2万円~/カ所
浴室 水平型 3.5万円~/カ所
I型
トイレ L型 4万円~/カ所
寝室 すえ置き型 2万円~/カ所
階段 階段用 10万円~

設置条件や手すりの形状などによって金額は変動するので、具体的な金額は専門業者に問い合わせて判断しましょう。

暮らしやすさが目的の人

暮らしやすさを目的とするのであれば、将来手すりが必要になったときに工事がしやすいよう準備しておくのがおすすめです。

手すりがあることで少し空間が狭くなったり、身体を引っ掛けてしまうことがあります。健康であれば手すりがないほうが、暮らしやすい住まいになることもあるでしょう。

新築時に手すりを必要としない方は、水まわりや玄関、廊下に将来的な設置を想定して工事がしやすいように木材などで下地を入れておくとよいでしょう。

後悔しない手すりの選び方3選

手すりを選ぶときの考え方を以下に3つ紹介します。設置してから後悔しないようにぜひ参考にしてください。

からだの状況に合っているか

水平方向の動きには水平型、上下の動きにはI型を選ぶのが一般的な考え方かもしれませんが、家族のからだの状況によっては、期待していたように使えないかもしれません。

手すりを使う本人とケアマネージャーや設計士など専門家の意見を取り入れて、からだの状況に合った手すりを選びましょう。

素材やサイズは適しているか

浴室や外部で手すりを使用する場合は、耐水性、耐候性(退色や劣化のしにくさ)に優れた素材を選ぶ必要があります。

設置場所に対して取り付けたサイズが大きい場合、スペースが狭くなり、かえって使いにくい空間になるかもしれません。場所に適した素材とサイズを選びましょう。

太さやかたちは適しているか

手すりの太さやかたちが適しているか検討してください。住宅で使用する手すりは丸い棒状をしているものがほとんどです。ただし、手の大きさや握力の違いによって握りやすい太さは異なります

介護用の手すりは、32mmと35mmが一般的な太さです。I型は32mm水平型は35mmという形で使い分けます。少し細い28mmというタイプの手すりもあります。

水平型は握りながら移動するので、丸い断面でストレートなかたちが適しています。I型で使用するのであれば滑りにくい、溝がついているかたちが適しています。

太さやかたちは、使いやすい手すりにするために大切なことなので、できるだけサンプルなどを取り寄せて、実際の商品を握って確かめるようにししましょう。住宅展示場などで、実際の生活をイメージしながら手すりの感覚をつかむのもおすすめです。

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