洗面所は住む人全員が頻繁に使用する場所であり、使い勝手や機能性が求められます。また、家族だけでなく来客が使うこともあるため、美しく衛生的に保ちたい場所です。
本記事ではそんな注文住宅の洗面所を分ける場合と分けない場合のメリットとデメリット、洗面所に必要な広さ、洗面台を2台以上設置するメリットとデメリット、洗面所を設置する際の3つの注意点を解説します。注文住宅の洗面所をどうしようか検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の洗面所は脱衣所と分ける?分けない?
これまで洗面所は、浴室に隣接する脱衣所と同じ空間に設置されるのが一般的でした。
しかし最近では、脱衣所と分けて洗面所を独立させる間取りが増えています。
洗面所を独立させる場合、次のような間取りが挙げられます。
- 脱衣所と隣接させる
- 玄関近くに設置する
- トイレ近くに設置する
洗面所と脱衣所を分ける場合のメリット
洗面所と脱衣所を分ける場合のメリットは、次の3点です。
- 脱衣所が使用中でも気兼ねなく洗面所を使える
- 来客に脱衣所を見せずに洗面所を使ってもらえる
- 物が少なくなりスッキリした印象になる
ひとつずつ解説します。
脱衣所が使用中でも気兼ねなく洗面所を使える
家族が浴室や脱衣所を使用している間も、独立した洗面所なら気兼ねなく使用できます。特に女の子の子どもがいる家庭では、脱衣所の使用には気を遣うこともあるでしょう。
しかし、洗面所と脱衣所が別々なら、仕事から帰宅した際もすぐに手洗いやうがいができます。
来客に脱衣所を見せずに洗面所を使ってもらえる
洗面所が独立していると、来客に生活感の出やすい脱衣所を見せることなく、手洗いをしてもらえます。
脱衣所は洗濯機や洗剤類、衣服などがあり、生活感が出やすく物も多い場所です。最近では感染症予防のため、手洗いの回数も増えました。
来客があった際も、独立した洗面所ではちゅうちょせず使ってもらえるでしょう。
物が少なくなりスッキリした印象になる
洗面所だけの場合、置いておく物が限定的です。
入浴や脱衣所で使う物を置かずに済むため、独立した洗面所では物が少なくスッキリした印象にできます。
洗面所と脱衣所を分ける場合のデメリット
洗面所と脱衣所を分けるデメリットは、次の3点です。
- 面積や費用が多く必要になる
- 別空間の面積が減る
- 洗面所での予洗いが不便になる場合がある
面積や費用が多く必要になる
脱衣所と共有する場合より、面積が多く必要になります。
洗面所と脱衣所を分ける場合、窮屈にならない広さを個別に確保する必要があるためです。面積を広げると、必然的に建築コストも高くなります。
別空間の面積が減る
家の面積を広げられない場合は、別空間を削って洗面所と脱衣所の面積を増やす必要があります。
削りやすいスペースはリビングや収納スペース、廊下などです。別空間の面積を増やす場合は、家全体としての使い勝手が損なわれないかも、検討しましょう。
洗面所での予洗いが不便になる場合がある
洗面所で予洗い※をしたい場合、洗面所と洗濯機のある脱衣所が離れていると不便になる場合があります。
それぞれがドアで仕切られている状態では、煩わしさを感じるでしょう。小さい子どものいる家庭では、洗面所と洗濯機との距離を検討しておくのがおすすめです。
- ※予洗い
- 洗濯機に入れる前に衣類などを手洗いすること
洗面所と脱衣所を分けない場合のメリット
脱衣所と共有する場合、洗濯機や洗面台、収納スペースを浴室の隣に設置するのが一般的です。
従来の住宅でよく見られる、洗面所と脱衣所を共有する間取りのメリットは次の2点です。
- 効率よく家事ができる
- ゆとりのある空間を確保できる
効率よく家事ができる
洗面所で予洗いしたい場合も、効率よく洗濯できます。キッチンの近くに洗面所があれば、家事もしやすいです。
ゆとりのある空間を確保できる
コンパクトな家では洗面所と脱衣所を分けると、それぞれのスペースが狭くなってしまうおそれがあります。
しかし、スペースをひとつにまとめて共有すればゆとりを確保でき、建築コストも抑えられます。
洗面所と脱衣所を分けない場合のデメリット
洗面所と脱衣所を共有するデメリットは、次の2点です。
- プライバシーを確保しにくい
- 雑多な印象になりやすい
プライバシーを確保しにくい
洗面所と脱衣所を共有する場合、プライバシーの確保が難しくなります。
プライベート空間である脱衣所に誰かが出入りするのは、家族間でも気を遣うでしょう。
雑多な印象になりやすい
洗面・脱衣・洗濯で必要な物がひとつの空間にあるため、雑多な印象になりがちです。
限られたスペースに収納するには、あらかじめ十分な収納計画が必要です。
注文住宅の洗面所に必要な広さ
洗面所に最低限必要な広さや、おすすめの広さは次のとおりです。
洗面所の設置 | 必要な広さ | おすすめの広さ |
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脱衣所と分ける場合 |
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脱衣所と分けない場合 |
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洗面所と脱衣所を分ける場合
洗面所と脱衣所を分ける場合、最低限必要な広さは、洗面所で1畳、脱衣所で1.5畳です。ただし、2人で並んで使うには窮屈になるでしょう。
1.5畳以上あれば、2人で並んでもゆとりをもって使用できます。
脱衣所は洗濯機を置くスペースを入れると、最低1.5畳は必要です。小さな子どもがいる場合や収納スペースを十分確保したい場合は、2畳以上あるのが理想的です。
脱衣所に室内干しスペースを含める場合は、2~3畳あるとよいでしょう。
洗面所と脱衣所を分けない場合
洗面所を脱衣所と共有する場合、洗濯機を置く場所や収納スペースも確保すると最低2畳は必要です。
さらに2.5畳あれば、ゆとりをもって洗濯などの作業がしやすくなるでしょう。
注文住宅に洗面台を2台以上設置するメリットとデメリット
最近では、洗面台を複数箇所に設置するケースが増えてきました。2台目の洗面台を設置する場所として多いのは、玄関横や2階スペースです。
設置場所ごとのメリットとデメリットを紹介します。
玄関横に設置する場合
最近では、玄関横に洗面台を設置する間取りが人気です。玄関横に洗面台を設置する場合のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
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メリット
玄関横に洗面台があれば、帰宅してすぐに手洗いができます。目に入る場所に洗面台があるため手を洗い忘れる心配がなく、子どもも手洗い習慣を身に付けやすいでしょう。
また、来客があった際も気軽に使ってもらえます。
デメリット
玄関ホールに、洗面台を設置する広さが必要です。
また、給水管や排水管を伸ばす必要があるため、コストもかかります。
2階に設置する場合
2階の階段やトイレ付近に設置するケースもあります。
メリット | デメリット |
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メリット
1階の洗面所が混雑している場合でも、2階にも洗面所があれば待つ必要がありません。
また、2階のトイレ付近に設置すれば、トイレ後の手洗いにも使えます。
デメリット
デメリットは、玄関横に設置する場合と同じく、設置スペースが必要になる点とコストがかかる点です。
給水管と排水管を2階まで伸ばす必要があり、1階に洗面所を増設するよりも費用が高くなります。
注文住宅に洗面所を設置する際の3つの注意点
注文住宅に洗面所を設置する際の注意点は、次の3点です。
- 耐水性の高い床材を選ぶ
- 適切な位置に必要な数のコンセントを確保する
- 十分な収納スペースを確保する
耐水性の高い床材を選ぶ
洗面所の床材には、耐水性が高く滑りにくい床材を使うのがよいでしょう。クッションフロアは、耐水性が高く掃除もしやすいためおすすめです。
自然材料でできた
適切な位置に必要な数のコンセントを確保する
必要なコンセントの数を確認しておきましょう。
洗面所では、ドライヤーなどの家電を使用します。脱衣所と共有する場合は、洗濯機やヒーターなどのコンセントも必要です。
また、コンセントを設置する位置は動線の邪魔にならないかどうかも確認しておきましょう。
十分な収納スペースを確保する
限られたスペースで必要な物を収納するために、収納計画を立てておくことが大切です。
脱衣所と共有する場合は収納する物が多くなるため、間取り計画の段階でどこに何を収納したいか十分検討しておきましょう。可動棚やキャビネット型の洗面台は、収納力をアップできるためおすすめです。