シックハウス症候群は新築住宅だといつまで続く?抑えるにはどうする?

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シックハウス症候群は新築住宅だといつまで続く?抑えるにはどうする?

家がまだ新しいと、シックハウス症候群を発症することがあります。建材や家具などに使われている化学物質などがシックハウス症候群の原因で、時間とともに症状が出なくなっていきます。どうすればシックハウス症候群を早く解消できるのでしょうか。

シックハウス症候群を発症しやすい家や、症状の出にくい家を建てる方法などを解説します。

新築住宅のシックハウス症候群はいつまで続く?

新築住宅でシックハウス症候群の症状が発生した場合、多くは建ててから4年程度で症状がほぼ治まるようです。

シックハウス症候群がいつまで続くかは居住空間の掃除や換気など、建物の衛生管理に大きく左右されるでしょう。

シックハウス症候群とはどんな病気のこと?

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群とは、建材や家具などに含まれている有害な化学物質を吸い込むことで、人体に影響が出る症状のことです。

シックハウスの問題は1996年に国会で取り上げられ、2003年7月の改正建築基準法によって、「シックハウス規制法」が制定されました。

シックハウス規制法によって、主に次の制約が課されることになりました。

  • ホルムアルデヒドを発散する建材の使用量の規制
  • 24時間換気システムの導入義務
  • クロルピリホスという化学物質の使用禁止

シックハウス規制法が制定されてからは、以前と比べるとシックハウス症候群を引き起こす化学物質量は減少する傾向にあります。

シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群の症状は、体質や生活スタイルなどによって個人差があります。シックハウス症候群の代表的な症状は次の表のとおりです。

シックハウス症候群の代表的な症状
シックハウス症候群が発生しやすい部位 主な症状
頭痛
チカチカする、涙が出る
乾燥、刺激感、鼻水が出る
口・のど 乾燥、せきが出る
皮膚 乾燥、湿疹、じんましん、かゆみ
全身 めまい、倦怠感けんたいかん、吐き気

シックハウス症候群の症状は、風邪や花粉症などの症状と似ているため、特定が難しいケースもあります。そこで、シックハウス症候群と判断するポイントとして、次のことを参考にするとよいでしょう。

  • 室内にいるときに症状がよく発生する
  • いまの家に住みはじめてから症状が出やすい

外出しているときに発症しない場合は、シックハウス症候群の疑いがあります。体に異変が生じた場合は、かかりつけの医療機関で診察しましょう。

シックハウス症候群の原因

シックハウス症候群を引き起こす原因には、次のものがあります。

  • 化学物質
  • カビ・ダニ
  • 気密性の高い家

それぞれの原因を詳しく解説します。

化学物質

化学物質は建物に使われている建材や内装材、そして家具などに含まれるホルムアルデヒドやキシレンなどのことです。化学物質は空気中に漂っているため、呼吸することで吸い込み発症します。

カビ・ダニ

カビの胞子やダニの死骸を吸い込んでも、シックハウス症候群は発生します。特に梅雨は湿気が室内にこもるため、発症しやすくなるでしょう。また、周辺環境が山や川などに囲まれた自然豊かな場所だと、カビやダニの胞子が室内にも入ってきます。

カビやダニの繁殖を抑えるには、次の対策をしましょう。

  • 通気性を保つ
  • 湿度を上げすぎない
  • こまめに掃除をする

気密性の高い家

高気密高断熱の住宅は省エネ性能が高く、高い人気を誇りますが、シックハウス症候群の原因にもなります。

高気密高断熱の住宅は、外気の影響を受けにくいため、快適に過ごすことが可能です。一方でシックハウス症候群の原因となる化学物質やカビ、ダニが外へ逃げにくく、シックハウス症候群を発症しやすくなります。

シックハウス症候群を抑えるため、定期的に換気をするなど、衛生管理に気をつけることが大切です。

シックハウス症候群を抑える方法

シックハウス症候群を抑える方法を紹介します。シックハウス症候群で悩まされている人、新居にすむ前に対策をしたい人は参考にしてください。

  • ベイクアウト法で化学物質を減らす
  • こまめに換気をして空気を入れ換える
  • 化学物質の少ない家具や生活用品を選ぶ
  • 空気清浄機を設置する
  • シックハウス症候群の対策をした家を建てる

それぞれの方法を詳しく解説します。

ベイクアウト法で化学物質を減らす

化学物質を早期に減少させる方法として、ベイクアウト法があります。ベイクアウト法は、シックハウス症候群の原因となる化学物質をあえて放出させて外部に排出することを繰り返し行うことで、短期間で化学物質の量を減少させる方法です。

ベイクアウト法は、次の手順で行います。

  1. 家具の引き出しや扉を開放して、空気に触れる面積を広げる
  2. 室内を密閉する
  3. 室内温度を30度〜35度前後、湿度を60%以上に調整する
  4. 室内の空気を循環させて高温多湿状態のまま放置する(6時間以上が目安)
  5. 換気をして放散された化学物質を外部に排出する
  6. 1〜5を数回繰り返す

ベイクアウト法を行うことで、化学物質の量を短期間で効果的に減少させることが可能です。

ベイクアウト法は、1回で半日以上かかるため、引っ越す前に数回行うとよいでしょう。しかし、仕上げ材や建材などによっては室内が高温多湿状態となることで、反りが生じる可能性があるため注意が必要です。実際に行う前に建築会社に相談しましょう。

こまめに換気をして空気を入れ換える

こまめに換気をして空気を入れ換えると、シックハウス症候群の対策になります。換気の方法は、自然換気と機械換気の2種類あり、特徴は次の表のとおりです。

自然換気と機械換気の違い
換気の種類 換気方法 特徴
自然換気 自然の力で換気をする
  • 騒音が少ない
  • 電気代がかからない
  • 天候など外的要因に左右される
  • 換気力は小さい
機械換気 換気扇など機械を使って換気する
  • 安定的に換気ができる
  • 電気代がかかる
  • 換気力は大きい

天候や室内の状況によって、自然換気と機械換気を組み合わせると効果的です。扇風機やサーキュレーターも使うとさらに効率が高まるでしょう。また、換気扇についているフィルターなども、定期的に清掃することが大切です。

化学物質の少ない家具や生活用品を選ぶ

シックハウス症候群の原因となる化学物質は、建材だけでなく、日常的に使う家具や生活用品からも放散されます。

新しい家具から薬品のような刺激臭を感じたことがある人もいるでしょう。そのような家具には、化学物質が多く使われていると考えられます。特に輸入家具にその傾向があります。

家具を購入するときは、ホルムアルデヒドなどの放散量をラベルで表示している製品がおすすめです。シックハウス症候群に配慮した、国産の家具を選ぶのも対策として有効です。

空気清浄機を設置する

シックハウス症候群を抑えるには、室内の空気をきれいに保つことが何より重要です。空気清浄機を設置することで、シックハウス症候群の原因物質を除去できます。また、加湿機能がある空気清浄機であれば、部屋の乾燥対策にもなります。

シックハウス症候群の対策をした家を建てる

シックハウス症候群の対策をした家を建てるには、次の点に注意しましょう。

  • 原因物質が放散されにくい建材を使う
  • 換気性能が優れた家を建てる

それぞれの対策について解説します。

原因物質が放散されにくい建材を使う

家の建材には、シックハウス症候群の原因物質であるホルムアルデヒドが放散されにくいものを選びましょう。

F☆☆☆☆エフフォースターのマークを見れば、内装材や家具がシックハウス症候群を引き起こしにくいものかどうかを判断できます。

F☆☆☆☆は、JIS・JASでシックハウス症候群の原因のひとつ、ホルムアルデヒドの放散速度を示しています。☆が多いほど安全性が高く、星が4つのF☆☆☆☆が最高等級です。

詳しい内容を表にまとめました。

F☆☆☆☆の基準
JIS・JAS表示 材料区分 ホルムアルデヒドの放散速度基準(夏季において) 使用面積制限の有無
F☆☆☆☆ 建築基準法における規制の対象外 0.005mg/m2h以下 制限なし
F☆☆☆ 第三種ホルムアルデヒド発散建築材料 0.005mg/ m2h以上0.02mg/ m2h以下 制限あり
(換気量によって使用量は異なる)
F☆☆ 第二種ホルムアルデヒド発散建築材料 0.02mg / m2h以上0.12mg / m2h以下 制限あり
(換気量によって使用量は異なる)
表示なし 第一種ホルムアルデヒド発散建築材料 0.12mg / m2h以上 使用禁止

ほかにも、化学物質の使用が少ない天然無垢材てんねんむくざいや、漆喰しっくいなどの自然素材を活用してもよいでしょう。

換気性能が優れた家を建てる

シックハウス症候群を抑えるには、化学物質などの原因物質を室内から少しでも減らすことが重要です。そのために、換気性能の優れた家を建てるようにしましょう。

建物の換気性能は、建物の気密性能と換気システムの性能によって大きく左右されます。気密性能が高いと、新鮮な空気を少しの電気代で取り込めます。

建築費が予算オーバーにならないよう、事前に計画と見積もりの確認をしておきましょう。

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